今沢カゲロウ「Bassist,Electric」(2008)

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日本人ベーシスト、今沢カゲロウの12枚目となるアルバム。初のメジャー配給となった前作「Bass Days」同様、キングレコードから「電気低音シリーズ」としてのリリースとなる。

彼の代名詞とでも言えそうな、人力サンプリングのリズム・トラック+超高速スラップ&フィンガリング&タッピングを駆使したダンサブル/トランシーなナンバーは2曲目の“Bassist,Electric #01”のみに留め、バラード等一部の曲を除き、前作にも参加したArt Hand(Dr)を全面的に起用、ロック色を強調した作風になっている。

それに伴い、前作ではシャープだったサウンドも、ややラフな感触の、膨らみのあるサウンドになっているのだが、「ギタリストやキーボーディストがいない」という点を差し引いても、ここまで生々しい迫力を持ったベース・サウンドにはなかなかお目にかかれないのではないだろうか。

あくまでロック・テイストに主眼を置きつつも、ポップなムードのVo入り(ベースとユニゾンで、人声を楽器の一つとして使用している感じではあるが)ナンバーや、普通こういうアレンジはせんだろ、という程の変貌を遂げているジャズ・スタンダードのカヴァー、そしてお得意のバラードまで取り揃えており、最後まで飽きさせない。12作目にしてなお、引き出しの多さや意外性を感じさせるのは本当に大したものだと思う。私が住んでいる徳島には毎年末にやってくるのだが、新曲がソロ・パフォーマンスではどのようにアレンジされているのか、今から楽しみである。

ところでこの作品、私はHMV Japanのサイトを通じて購入したのだが、King Crimsonの“The Talking Drum”のカヴァーを収録したボーナスCDがついてきた。このCD、店によってついてたりついてなかったりなようなので注意が必要である。中身は、メロトロンが不穏な空気を撒き散らすライヴ・ヴァージョンを下敷きにして、原曲を崩さない範囲で暴れている感じ。Robert Frippのギター・パートがもっとキンキンした音だと、更にらしくなっただろう。

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