Asia「Phoenix」(2008) 

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-もう、僕たちはThe Venturesを笑えない-

て、別にThe Venturesに対して思うところは何一つないのだが、これを聴いて喜んでる私のメンタリティというのは、毎年2回やってくるThe Venturesのテケテケに喜んでる「老若男女(除く若)」とあんまし変わらんよな、きっと。10ン年前にAsiaの1stを聴いてもピンとこなかったのに、まさか最新作「Phoenix」にはまりこんで「自身のルーツは'80年代である」という事実と向き合わされることになろうとは。

Asia(というかJohn Wetton)はそれほど好きというワケでもないので今回も完全スルーの構えだったのだが、随所で良い評判を聞くし、近所のレコード屋を覗いてみれば発売後1ヶ月経ってもまだ結構目立つところに置かれていて物凄く気になったので「いっちょ騙されてみるか」と思って購入してみたところ、John Wettonの歌唱/メロディは過去私が聴いた彼関連の作品(ほんの10枚程度だが…)を通しても随一の充実ぶりを見せており、騙されたといっても予想がいい方向に裏切られたカタチに。

ペラッペラなシンセをはじめとして、'80年代の空気をそのまま真空パックしたような激ダサな場面も散見されるが、彼らの影響を受けたどこの馬の骨ともつかない連中ではなく、正真正銘のオリジナルが何の臆面もなく堂々とやっているのだし、そもそも今こういうことをやって許されるのはAsiaだけだろうから(他の人がやったらそれこそ悪趣味な冗談にしか聴こえないと思う)、こちらも笑って受け入れるしかなかろうて。でも中途半端に時流におもねらないその姿勢には、冗談抜きで「凄い」の一言しかない。1曲目の冒頭でSteve Howeのギターがジャララーンと鳴った瞬間、25年前にトリップする感覚を味わえるぞ。

ポジティヴなエネルギーが溢れる楽曲群から垣間見えるのは「オマエら、こういうのが聴きたいんだろ?存分に味わうが良いぞ!」とでも言いたげな、前向きな達観。25年前には希薄だったプログレ色を微かに強化しつつもAsia以外の何者でもない作品に仕上がっており「こういうの」を求めていた人たちの期待にほぼ100%応えている、と言い切っていいだろう。きっかけが金だろうが何だろうが、これだけのものを作ることができたのだから、全てが正当化される。正直、少し感動した。

ただし、本編ラスト"An Extraordinary Life"のイントロが小林明子"恋に落ちて"のサビメロに酷似している点だけは突っ込んでおきたい。日本人にとってはここが笑いどころです。

2008/06/04 Wed. 21:07  edit

Category: CD/DVDレビュー:A

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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