The Gathering「Home」(2006) 

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女性Voをフィーチュアしたゴシック・メタルのオリジネイターとして名高い(?)オランダ産バンド、The Gatheringの8th。

このバンド、7,8年ほど前に当時の知人から熱心に勧められていたにも関わらずなんだかんだで今まで放置していたのだが、先日大阪に行った際に茶屋町のタワレコをあてもなくうろうろしていたところこのバンドの名前が目に飛び込んできたので、置いてあった「Mandylion」(1995)「Nighttime Birds」(1997)「Home」の3枚を鷲掴みにしてレジへ直行。帰りの車中で聴き、家に戻ってからもずーっと聴いていた。要はハマッてしまったのだが、ここでは現時点での最新スタジオ作である「Home」を取りあげることにする。

派手さのないバッキングの上を印象的なメロディが舞う、という作風は3枚とも共通しているが、一本調子な中にも強い神秘性を感じさせる、歌メロの美しさがただごとではない「Mandylion」、楽曲のヴァリエーションを拡大して大衆性を増した「Nighttime Birds」と同じバンドとは思えないほどに、このバンドは約10年の間で大きな変貌を遂げている。ツインギター&キーボードを携えたヘヴィで大仰なゴシック・サウンドは装飾をそぎ落としたトリップ・ポップに、メロディが持つ力強い高揚感は内省的な閉塞感へと、その方向性を変えている。まあ、ジャケットからしてどう見ても「メタル」って雰囲気じゃないわな。

「Mandylion」にリアルタイムで魅せられたファンはさぞかし大変であろうが、アルバム1枚通して聴かせる構成力やアレンジなど、スタイルを変えながらも確かな成長を感じさせる部分はある。そしてAnnek van Giersbergenのヴォーカル、これが実に素晴らしい。クリアな声質で上から下まで力強く歌い上げ、表現力も申し分なし。とりあえずメタル系のリスナーで未聴の方には「Mandylion」「Nighttime Birds」をオススメしておく(この2枚も実に強力)が、Radioheadに端を発する今風の音がダメでなければ、このアルバムも聴いてみる価値はある。掴みは弱いもののじっくり浸れる作風は私自身好きだし、何よりAnnekのヴォーカルは「彼女が歌っている限りはこのバンドを追いかけようという気になる」ぐらいの存在感だ。

かようにこのバンドの魅力というのは彼女の才能に負うところが大きいと言えるのだが、それだけに昨年彼女がバンドを脱退したのは大きな痛手。正味な話、残されたメンバーはこれからどうするつもりなんだろ。

2008/05/05 Mon. 15:20  edit

Category: CD/DVDレビュー:G

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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コメント

初期の典型的なゴシックメタルサウンドはちょっと苦手なのですが、このアルバムや彼らの比較的最近の作品に関しては、大好きなMarillionに通じる雰囲気が感じられて、かなり好みの音だったりします。

ロックは無用 #YyyuZQ7E | URL | 2008/05/14 00:41 | edit

「Nighttime~」と「Home」の間の作品はまだ聴いていないのですが、確かにマリリオンとの共通項というのはあると思います。

過去作はもちろんですが、バンドを脱退したアネクが立ち上げた新しいバンドの音源もチェックしてみたいと思っています。

cota(管理人) #BqEwgRj. | URL | 2008/05/15 22:48 | edit

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