今沢カゲロウ「Bass Ninja DVD」(2007) 

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ループマシンを使って自身の弾くフレーズを重ねまくって曲を仕立て上げる、というスタイルで突き進む孤高のカルト・ベーシスト、今沢カゲロウの初映像作品。内容は、2007年5月18日に渋谷Duo Music Exchangeで行われたワンマン・ライヴからの抜粋+スタジオで収録されたソロ・パフォーマンス+ライヴ1曲目“Encyclopedia Of Bass Art”の奏法解説+自作の教則曲“コオロギ王子”を用いたベース・クリニックの4本立て。

ライヴの模様が収録されているのは正味40分ほどで、「今までやってきたことをギュッと凝縮して…」とMCで言っていた当日のライヴをさらに凝縮したような感じ。もっと収録して欲しかったというのが本音ではあるが、前述の“Encyclopedia~”などの代表曲や、ループマシンとベースシンセ(469種類の楽器の音をシミュレートできるらしい)を使用した自身の演奏を説明するための“高速かえるの歌”をはじめとする「1人32ビート」「人間メトロノーム」「昆虫漫談」といった基本的な持ちネタは網羅されている。一部の曲ではゲストとしてアート・ハンド(Dr/Per)が登場、タイトなプレイを繰り広げている。

曲によってはいやにアッサリ終わる感じがするのだが、生ライヴにおける音の洪水(ドラムスなどの他の楽器が入ったときよりもソロの方がアウトプットされる情報量が多いのだよこの人は)とは違って、随分と音が整理されて聴きやすくなっているのが原因かも。その分、1つ1つの曲をじっくり味わうことができて、私のようにライヴを見たことはあるけどちゃんと咀嚼しきれない部分があった人間には「ああ、こういう曲だったのか」という意味でいい復習になるし、まだ彼のライヴを体感していない人なら、生で見るとまた違った衝撃を受けることが出来ると思う。

スタジオ収録のソロ演奏は、ライヴで収録されなかった代表曲を収録。弾いている本人の顔がほとんど映らない(トーキング・モジュレーターを使うときだけ画面の端に小さく映る)と言う、観る側の「もっと手元見せろ」という思いに可能な限り応えようとした(?)映像になっているがそれはともかく、個人的には“Schwartz Markt”が三味線や笛、シタールを用いて(勿論、ベースで弾いている)アルバム版とは異なるトランス感をもたらしているのが興味深かった。それにしても、ループ・マシンを用いてバッキング・トラックを作る時のタイム感だとかセンスはTerry Bozzioを生で見たときの「凄すぎて逆に気持ち悪いかも」感に通じるものが。気持ち悪いというと語弊あり過ぎですが。

奏法解説+コオロギ王子は生徒(キング・レコードのスタッフ?)との対話形式による教則映像仕立て。コッチもコッチでかなり濃密な仕上がり。特に奏法解説は楽器を弾かない人でも興味深く観られるのではないかと。

ライヴにおけるループマシンのフットスイッチを押すタイミングが観られるだけでも美味しいDVDです、て目線がマニアック過ぎるか。いやでも実際の話、物凄い訓練積んでるんだろうな、と思わされた。全編100分、通して観ると満腹になれるぞ。

2007/09/16 Sun. 01:17  edit

Category: CD/DVDレビュー:国内あ

Thread: プログレ - Janre: 音楽

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