非思量

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26 2007

Phew「View」

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Aunt Sallyというバンドでデビューした日本の女性シンガー、Phew(フュー)の2ndソロ。87年の作品。

彼女がロック/ポップスの文脈上、どういう立ち位置なのかイマイチわからない(私はプログレ関連の文献で彼女のことを知ったが、Aunt Sallyについては「日本最初期のパンクバンド」という記述もある)のだが、その原因は彼女の歌唱。一度聴けばわかる。彼女に対抗できるのはかのFlorence Foster Jenkins女史ぐらいしかいない、というぐらいの不安定な音程。スタジオ録音でこれだけ揺れまくる歌ってどうよ?と思わずにはいられない(ボートラのライヴ音源を聴くとさらに物凄いことになっているのがわかる)。

ただ、(こういう形でフォローするのは自らの感性の豊かさをひけらかしているようで実は嫌なのだが)彼女の声からは単なる「歌」を越えた何かが聴き手に突き刺さってくるものを感じる。音程に反して芯の部分は恐ろしく強いというか。友人に聴かせたところ「演劇/芝居的」という感想を得たのだが、有機的な言葉を駆使しながらどこか無機質な歌詞も併せて、いかなる意味においても「衝撃的」であることは保障できる。

Canのメンバーと録音された1st「Phew」(81年)が有名だが、「Phew」でのひたすらシンプルで硬質、かつ陰鬱な世界から一変、春の陽光を思わせる開放的なロック・サウンドを従えた「歌モノ」の要素が強い一枚になっている。でもまあ、バックがどんな音でもヴォーカルが全部持っていきます。強烈。

2 Comments

テツ  

Phewって人は、ゲルニカ時代の戸川 純とよく比較されるのだが、ボクは聴いたことがありません。戸川 純についてはヤプーズしか持ってなかったが、不安定な音程(特にライヴはひどい)という点と、アングラなところは似通ってるんじゃないでしょうか。てことで今度、聴かせてください。

2007/08/27 (Mon) 00:54 | EDIT | REPLY |   

cota  

Wikipediaを見ると「日本のアンダーグラウンドにおいては、女性ボーカリストとしてPhew(フュー)と双璧を成す」て書かれてますね、ほうほう。戸川純て私の中ではバリバリにメジャーな人なんですが、まあ確かにアングラ臭を強く漂わせた人物ではありますな。

PhewのCD、近いうちにお持ちします。低唱歌手なんで戸川純の不思議ちゃんっぽさとは全然世界が違いますよ。

2007/08/27 (Mon) 21:58 | EDIT | REPLY |   

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