聖飢魔II「恐怖のレストラン」 

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デビュー当時の悪魔性を前面に押し出した世界への回帰を目指した92年発表の7th。

・・・ではあるが、初期の楽曲が、聖飢魔IIの創始者であるダミアン浜田独特の、おどろおどろしくもどこか馬鹿馬鹿しさというかユーモラスな雰囲気を持つ「よくできたホラー映画」的な世界だったのに対して、「恐怖のレストラン」は笑いの要素を排除したスプラッタ物(見たことないけど)の趣き。音楽的にも然りで、オーソドックスなヘヴィ・メタルを骨格としつつもズッシリとした質感を纏っており、ハードコアへの接近すら感じさせる曲もある。まがりなりにもオリコン1位を取ったバンドであるにも関わらず、相当トンがった、ゴリッゴリのヘヴィ・サウンドになっている。さすがに最初は違和感を覚えたが、今では一番好きなアルバム。

「有害」のレビューで「聖飢魔IIは90年代前半が音楽的ピーク」と書いたが、「恐怖のレストラン」におけるデーモン小暮(Vo)の歌唱は壮絶の一言。普段のしゃべりの時のような潰れた感じの声やクリアなハイトーンからRob Halfordばりの超絶ハイトーン、さらに“ギロチン男爵の謎の愛人”における別人のような濁った野太い声まで、まさに七色の声色。ここまでできる日本人(あ、悪魔か)はなかなかいないと思うよ(閣下自身も今は出来ないのではないかな)。

しかしまあ、セールス的に頂点を極めた次のアルバムのテーマが「性欲」で、その次がこんなスプラッタな内容…。自分たちに正直と言えばまあそうだが、深く考えずに前例踏襲で行けばもっと売れたかも知れないのに、つくづく不器用な人(あ、悪魔か)たちだったのだなあ、と思う。シングル切った曲が6分を越える長尺モノ(アルバムではさらにエクスパンドされて9分超)だし。まあ、99年までそれなりのセールスを維持できたのは、過去の再生産に安住しないその姿勢に負う所が大きかったのもまた否定できないことではあるが。


“鬼”

2007/08/20 Mon. 01:33  edit

Category: CD/DVDレビュー:国内さ

Thread: HR/HM - Janre: 音楽

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