W.A.S.P.「Dominator」

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Wingerに続いて80sヘア・メタル・バンドの登場です。

と言ってもW.A.S.P.はデビュー以来、短期の活動停止期間はあるがコンスタントにアルバムを出し続けている。全盛期はポップなノリだったが、徐々に重厚なブリティッシュ・ハード・ロックへ移行、その後、キャラクターのモチーフをパクったMarilyn Mansonを逆にパクり返したようなインダストリアル調の「K.F.D.(国内盤のタイトルは「Kill Fuck Die」)」を経て、アルバム毎に初期のパーティ路線と中期のシリアス路線を行ったり来たりしていたがこのあたりから楽曲の質が目に見えて落ちてきていたので、シリアス側に寄った2001年の「Unholy Terror」を最後に私は脱落。それからのことは知らん。

で、チラチラと良い評判を目にしたので久々に新作を手にしてみたらこれが想像以上の力作。英語力がないので歌詞の中身については何ともよう言わんが、「支配者」というタイトルやジャケットのデザイン、ブックレット巻末のBlackie Lawlessのライナーノーツ(斜め読みしただけですが)などから、近年のアメリカの情勢に対する怒りがテーマになっているのは明らか。よって当然、方向性も重厚でダークな方に傾いている。

キャッチーなメロディ+Blackieにしか出せない表情豊かで美しいダミ声+ロケンローなギター・ソロというW.A.S.P.の3大要素は今も昔も変わらないが、ここに来て全盛期の畳み掛けてくるような迫力が円熟味を伴って復活しているのが凄い。「なんかこのフレーズ、昔のアルバムで聴いたことないか?」というのが結構多いバンドではあるが、楽曲の出来がいいのであまり気にならない。“Chainsaw Charlie”“I Am One”を思い起こさせるBlackie節全開の“The Burning Man”や、静かな出だしから徐々に盛り上がるシリアスなミッド・テンポの“Heaven's Hung In Black”などは、W.A.S.P.の曲で久々にグッと来たぞ。

「The Headless Children」や不朽の大傑作「The Crimson Idol」を心から愛せるけど最近の作品はチェックしていなくてねえ…、というメタル退役軍人なアナタに是非オススメしたい一枚。もちろん、現役バリバリの皆様にも。

2 Comments

シュン  

ブートキャンプ

メタル現役ではなく、退役でもなく、どちらかというとメタル予備役軍人なボクですが、なんかそそられるレビューですね。今度買って聴いてみます。

まぁ、予備役と言いつつも、何故かMegadethのライブに参戦予定です。WASPのアルバムなら、Megadethライブ用のブートキャンプになりますかねぇ?

2007/07/27 (Fri) 23:51 | REPLY |   

cota  

メガデス来るらしいですね。大阪は平日らしいんで私は今回パスしますけど、楽しんできてくださいな。

W.A.S.P.はいいですよー。新しい要素は全くありませんが、そもそもメタルは超保守的な音楽なのですから、これでいいんだ、という気になります。

2007/07/28 (Sat) 20:44 | EDIT | REPLY |   

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