島津亜矢@鳴門市文化会館(2018.4.21)

国籍を問わず、日本に住んでいる者にとって「島津亜矢は凄い」というのはもはや常識だと思われるのだが、その凄さを体感すべく友人と鳴門市文化会館まで行ってまいりました。

途中20分の休憩を挟んで2時間キッカリ、後半、2度ほど衣装替えで舞台から消える時間帯はある(その間はバックバンドによるインストや、事前収録と思われる島津本人の語りでつなぐ)が、それ以外は常に歌っているか、何かをしゃべっている。インスト隊はあくまで「伴奏」であり、もったいぶったイントロや長ったらしいソロなどはない(ついでにいえばエンディングも実に素っ気ない)ので「常に歌っているか、何かをしゃべっている」という表現には一切の誇張はない。これを1日2回やる(昼の部と夜の部)んですよ。演歌歌手ってハードな職業やねえ…。

そして我々が観たのは夜の部なのだが、1曲目から両手を合わせて拝みたくなるほどの歌唱力で圧倒。美空ひばりや北島サブちゃんの曲を歌いながら客席を練り歩き握手して回るという文字通りの「神降臨」パートがあったのだが、曲の合間に「美空ひばりさんや北島三郎さんの曲でどれが好きですか」と客のおじいちゃんへマイクを向けたら、そのおじいちゃん、なぜか鳥羽一郎の“兄弟船”と回答。まるでご長寿早押しクイズだが、そんな状況に陥っても、軽くおじいちゃんにツッコミを入れつつ慌てず騒がずその場で“兄弟船”をアカペラでワンフレーズ。あとやはり美空ひばりの“愛燦燦”もアカペラでワンフレーズ歌ってくれたが、これがまあ、見事過ぎて呆然としつつ拍手するしかないという。

ちなみに島津さん、私の席の間近も通ってくれて、友人は満面の笑みでハイタッチしてもらえたのだが、私はその友人と、私を乗り越えるように身を乗り出して握手してもらっていたおばちゃんに挟まれて手を差し出すことができなかったため、神の手に触れることは叶わず。思い出すだに悔しい…!

まあそれはともかく、“独楽”“帰らんちゃよか”といった自身の代表曲に加え、中島みゆき“命の別名”や吉田拓郎“落陽”といったポップスのカヴァーに昨年の紅白でも歌った“The Rose”、果てはセリフも入った独り芝居調の股旅物まで、振れ幅ありすぎの様々な曲を、最後まで疲れを全く見せることなく、そして一切の淀み無く歌い上げておりました。ただただ「恐れ入りました」とひれ伏すのみ。

終了後に入った居酒屋で1枚。

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パンフに書いてある「むぞらしか」は「可愛らしい」という意味の熊本弁。会場で買ったタオルにはゴジラっぽいフォントで「歌怪獣 シマヅアヤ」と書いてある(ちなみに写真では隠れているが口元を少しゴジラっぽくアレンジした島津さんのシルエットもプリントされている)のだが、怪獣というより完璧超人の類でした。表現力の幅広さ奥深さといった技量面もさることながら、圧倒的な声量と最後まで衰えない強靭な喉。「天賦の才能」という言葉はこういう人に出会ってしまったときに使う言葉なのだなあ、としみじみ感じた夜であった。同郷の先輩方(八代亜紀、石川さゆり)みたくロックフェスに出て観衆の度肝を抜いてみたりしてくれんかなあ。フェス会場で物販やったら、このタオル、飛ぶように売れそうな気がするぞ。

なお当日の客層は当然ながら高齢者が大半で、車いすの方や腰が90度曲がった方の姿も。冗談抜きに我々が最年少だったのではないかと思うが、そんな中、最前列に陣取り、黄色い半纏(背中に島津亜矢の名前が入った公式グッズ。定価9000円)を身にまといペンライト(確か定価2500円)や団扇(これがグッズなのか手作りなのかよくわからず)?を振っていた応援団というか、「あやちゃあああああああああん!」という野太い咆哮が昔のアイドルの親衛隊的ノリを思わせるおじいちゃん方が印象に残った。オリジナル曲を歌う前の島津本人の曲紹介に反応して「待ってましたー!」。結構な頻度で言う(片手では数えきれないぐらいの回数)ので終盤には軽く笑いも起こっていた気がするけど。「アンタら、待ちすぎやろ」て。

幸せそうでええなあ、と思いました。割とマジで。

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