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Diablo Swing Orchestra「Pacifisticuffs」(2017)

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スウェーデン出身8人組の、実に5年ぶりとなる4th。随分待たせてくれたものだが、その間にヴォーカルのAnnlouice Löegolundが「自身のオペラのキャリアを追求するため」脱退し、代わってKristin Evegårdが加入している。

前任者は本職がオペラというだけあって、何でもアリとはいえ一応ヘヴィ・メタルというジャンルに属する音楽性の中で異彩を放ちまくっていたのだが、新任は全くキャラクターの異なるドリーミーな声の持ち主。3年前にYouTubeで公開された“Jigsaw Hustle”がEvegårdの初お披露目となったが、彼女の声はダンサブルとも言えるサウンドの中で軽やかに躍動している。

前作「Pandora's Piñata」(2012)で「怪しさが後退した」と書いたが、ヴォーカルのキャラが変わったこともあってか、楽曲のヴェクトルはコンパクトかつより洗練されたものへと向かっている。その象徴が前出の“Jigsaw Hustle”であり、2分半弱で一気に駆け抜ける陽気なオープナー“Knucklehugs(Arm Yourself With Love)”であろう。

まあ、それでもヴァイオリン、ヴィオラ、ダブル・ベース、クラリネット、チューバといった「メタルのアルバムにそいつら呼ぶか普通?」というようなゲストを迎えて制作されたアルバムのインパクトは今なお十分に怪しさ全開である。後退したのは「妖しさ」かな。サビにおけるLöegolundのヴォーカルが圧倒的なスケール感を生み出していた“Mass Rapture”や、エキセントリックなエンディングが深い余韻を与えていた“Justice For Saint Mary”のような雰囲気は概ね失われている。

代わって得たものは洗練されたキャッチーさと親しみやすさ。どちらを好むかは人それぞれだし率直に言って私は前作までの作風の方が好みだが、このバンドがより多くの人に知られて欲しい気持ちに変わりはない。作品の出来栄えそのものは上々。


Diablo Swing Orchestra“Jigsaw Hustle”

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