Steve Jansen「Tender Extinction」(2016)

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元Japanのドラマー、Steve Jansenの「Slope」(2007)以来となる2ndソロ。

今回も大半の演奏をJansen自らが手掛け、曲によってゲストを招くスタイル。前作は制作に5年かけたというが、今作も完成までに約3年を費やしたのだそう。前作同様、ストイックな中に、暖かい空気の感じられるサウンド。アコースティックとエレクトリックの配合が絶妙で、優雅な音の流れに身を任せるのが実に心地よい。

強いて「Slope」と異なる面を挙げるなら、やや先鋭的な空気を纏っていたインストではなくヴォーカル入りの曲で始まっている(とはいえこちらも変拍子を使用しているが)ことで、だからというワケでもないだろうが、ヴォーカル入りの曲が結構印象に残る。「Slope」でも歌っていたThomas Feinerはオープナーの“Captured”でディープで渋みのある声を響かせ、初参加の女性Vo、Melentini(“Sadness”)、Nicola Hitchcock(“Faced With Nothing”)も良い仕事をしている。個人的には、シンプルなピアノを従えて繊細な歌声を響かせる後者がアルバム中最も印象に残った。Jansen自身も2曲でヴォーカルを披露。実兄のDavid Sylvianに似た声質の、ジェントルな声を聴かせている。

何となく、個人的にJapanのメンバーの作品は不見転で買っても大丈夫という、根拠のない信頼感を抱いているのだが、この作品も秋の夜長に飲む酒との相性が大変よろしい、アーティスティックな1枚に仕上がっていると思う。

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