The National「Boxer」 

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ツイン・ギターを擁する5人組の5th。サラッと音を聴いた時に「イギリスは忘れた頃にこういう渋いのをポッと出してくるなあ」と思っていたのだが、NY出身でしたか。ニヒルさとウェットさが同居した奇妙な感覚に英国的な臭いを感じたのだが。

蚊の鳴く音のように儚げで繊細な、それでいて静かな情熱を感じさせる演奏、演奏とは逆に情熱という言葉が無縁そうなコクのある低音ヴォーカル、そのヴォーカルが「もう言いたいことは言ったから」とばかりに歌い終わるとサッサと3~4分で終わってしまう楽曲群など、どこを切っても押し付けがましいところがないのに、音の一つ一つが凄く印象に残る。

ところどころで挿入されるストリングスや管楽器類、ハーモニーも楽曲を引き立たせるのに効果的な役割を果たしており、朴訥なようでいて、実はとてもクレヴァーなアルバムだ。物凄く誤解を受けそうな表現だが「ちゃんと演奏できる人達がポスト・ロックをマトモなロック・サウンドに昇華させた音」。私ゃ素人臭いポスト・ロックは嫌いだが、このアルバムは未熟な青臭さなぞ微塵も感じさせない。素晴らしい。

「なんでこんな風にしたわけ?」
「こういう風にしたかったからだよ。何か文句ある?」

他人がクールだと思ってくれるかどうかではなく、自分たちがクールだと思った世界観を突き詰めたら傍から見ても物凄くカッコいいアルバムになってしまったという印象で、聴いていて何となくDisillusionの「Gloria」を連想してしまった。あーでも、あそこまで野放図ではありませんぞ(つーか、そもそもメタルではない)。親しみやすいメロディとコンパクトながらしっかり起承転結のある楽曲に惹かれる人は少なくない、ハズ。

2007/06/11 Mon. 22:55  edit

Category: CD/DVDレビュー:N

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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