今沢カゲロウ「Spin, spin...」(2014)

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ベースニンジャの17枚目。今回はピアノ・トリオ編成での録音と謳われており、今沢以外のメンバーはTakuto Kudo(Key)、Yoshiyuki Sakamoto(Programming, Recording, Mixing & Mastering)となっている。

ピアノ・トリオという言葉から「ジャズをやってるのかな」と連想する方が多いかも知れないが、ジャズはジャズでもニュー・ジャズとかフューチャー・ジャズとか呼ばれる類の音である。エレクトロニックでクール、かつ、全体的に非常に抑制の効いた音世界が繰り広げられている。トリオと言いつつベースは当たり前のようにオーヴァーダブを施されているが、リズム・トラックを重ね録りするような従来の手法からは離れ、別々のフレーズがお互いに溶け込みあいながら楽曲の一要素を構成しているような、そんな印象を受ける。

15th「Superlight」(2012)のレビューで「音の隙間であるとか、あるいは奥行きを強く意識させる仕上がり」と書いたが、この作品では遂に「音そのものを聴かせることよりも、音が作り出す空間を感じさせることに注力した作風」へと辿り着いた感がある。音の「間」に即興演奏由来のものを感じさせる部分は多く、昨年あたりから行っているBASSNINJA Wired(公式サイトに曰く「世界各地の表現者との瞬間作曲プロジェクト」)からのフィードバックが強く現れているのかも知れない。作品全体を貫く程よい緊張感が心地よい快作。


アルバムのトレイラー。

2 Comments

GAOHEWGII  

cota様 こんばんは

 確かにピアノ・トリオとして聴こうとすると、
ベースが前面に出ているので面食らいますね。
ジャム要素強めですが、日本らしく適度にメロディアスで
心地よい揺れを楽しめました。

2014/09/28 (Sun) 19:58 | REPLY |   

cota(管理人)  

Re: タイトルなし

どもですー。

ピアノというかキーボード・トリオというのが正確な気がしますが、いずれにしてもその字面から想像できるのとはかなり異なる音ですよね。あくまでベーシストがリーダーの作品です。

心地よい揺れ、ですか。なるほど。個人的には彼の作品から久々に手応えを感じました。前作はレビューを書いておらず「もうこれ以上は期待できんかなあ…」と思っていたので、嬉しいです。

2014/09/28 (Sun) 21:29 | REPLY |   

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