Phoenix「Bankrupt!」(2013)

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フランス出身4人組の5th。前作「Wolfgang Amadeus Phoenix」(2009)がグラミー賞を受賞しているらしいが、恥ずかしながら全く知らなかった。“Entertainment”の韓国ドラマや北朝鮮のマスゲームをイメージさせる映像を脈絡なく繋ぎ合わせたようなPVと、まるで80年代ディスコ・ミュージックのようなサウンドや曲調に「何だこりゃ?」と興味を魅かれてアルバムを買ってみた。私が購入した国内盤は“Entertainment”のリミックスを3曲収録したCDを含む2CD仕様。

帯を見るとVo+G×2+Bという編成(ドラムはゲストを招いている模様)だが「80年代のRushでももう少し控えめだったんじゃない?」と言いたくなるシンセ・サウンド大行進。ギターやベースの存在感がやけに薄い。そのシンセはやたらとキラッキラして叙情性を拝した80年代風味。フレーズもやけにアジアへの憧憬を感じさせる無国籍風味が全編を貫く。こ、これが最先端のポップ・アルバムなんでしょうか?繊細と言うか、どことなくフニャッとした味わいのヴォーカルなど、確かに現代的に響く箇所もあるが、それは別としても、「オッサンが既視感を覚える音」が今の若いリスナーには新鮮に響くのかもしれない。

訳詞を読むと、歌詞からはグラミーを獲ってスターダムにのし上がったが故の苦悩のようなものを感じないでもないが、前述の“Entertainment”は言うに及ばず、ダンサブルな側面を強調した“S.O.S. In Bel Air”、キラキラした中にゆったりした荘重さを覗かせる5分弱(アルバムの中では尺が長い)の“Bourgeois”等、時に享楽的、時にロマンティックな楽曲は魅力的で、オルタナティヴ~エレクトロニカ系のポップ・ソング集として楽しめる。初めて聴いたのにこのようなことを書くのもちょっとどうかと思うが、バンドが成熟期に入ったと思わせる完成度を誇る作品である。



Phoenix“Entertainment”

2 Comments

シュン  

なんとなく…

間違ったアジアンテイスト全開ですね~。でもポップで聴き易いですし。なんだか不思議です。

2013/06/02 (Sun) 18:43 | EDIT | REPLY |   

cota  

Re: なんとなく…

PVも見れば見るほどインチキ臭いというか。
なんで街中で斧投げてるんだよ、という(笑)。
でも曲はいいですよね。

2013/06/02 (Sun) 19:28 | REPLY |   

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