Paula Cole「Raven」(2013)

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アメリカ人女性SSW、Paula Coleの「Ithaca」(2010)以来となる6th。

Deccaから離脱して新作を製作するにあたり、彼女はアルバム制作費をファンから募る形を採った。結果、目標の50,000ドルを大きく上回る75,258ドルを集めることができ(詳細はこの記事に詳しい)、アルバムも無事リリースされた、という次第。全然知らなかった…。発売元の「675 Records」は恐らく彼女の自主レーベル。

豊かな声量を生かした繊細極まりないトーンの使い分けこそが彼女の歌の特色だが、その特性は四十路も半ばを迎えようとして衰えるどころかさらに冴え渡っている。Peter Gabriel「Secret World Live」(1994)の映像版で衝撃を受けて以来のファンだが、今も昔も変わらず驚異的に上手い。6分以上に及ぶ“Manitoba”や5分弱の“Why Don't You Go?”の流れで彼女のヴォーカルの真髄を堪能できる。静と動、柔と剛の対比というか、使い分けがあまりに鮮やか。

YouTubeで動画が公開された“Eloise”はこれまでになく軽いタッチの曲だが、全体的には落ち着いたムードの中に激しさを内包した、「Courage」(2007)以降のテイストを引き継ぐ作風になっている。パッと見には少し地味かも知れないが、深い味わいの良い作品だと思う。我らがTony Levinも半分強の6曲で参加。


Paula Cole“Eloise”

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