Machacek Preuschi Pirker「Fat」(2012)

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Terry Bozzioとの共演やUKZへの参加等で知られるギタリスト、Alex Machacekが母国オーストリアのミュージシャン、Raphael Preuschi(B)とHerbert Pirker(Ds)を率いて結成したFabulous Austrian Trioの作品。ミュージシャン名は3人の連名で、作品名がトリオ名を省略したと思しき「Fat」である。ちなみに2006年にMachacekのソロ名義で発表された「Sic」も今回と同じトリオで録音されたものだそうだ。

作品の基礎を成すのはクールで抑制の効いたジャズ・ロックで、ドッタンバッタンとせわしなくなる場面は少ないが、おバカなノリのオープニング“Why Not? (aka Disco Polka)”やジャンクなテイストの“Compromising Evidence”といった変り種もプログラミング・サウンドを交えつつふんだんに盛り込んでいて、なかなか魅力的な仕上がりになっている。

しかし何より、随所でア然とする光速フレーズをシルクのような滑らかさで繰り出して聴き手を圧倒するMachacekのプレイこそが最大の聴き所。ホントこの人のギターはどんなフレーズでも聴いていて気持ちがいいな。どんなに複雑なことをやっていても、それを感じさせずにサラッと聴かせてしまう。私は「好きなギタリスト」というのは特にいない(強いて言えばRobert Fripp)のだが、技術、変態性ともに非常に高い次元にいる彼の出す音には不思議と魅入られてしまう。

かつてTerry Bozzioとの共演をナマで観たことがあるが、もう一度ライヴを体験したいと思わせてくれる作品。


“What A Time To Be Me”2010年のライヴ映像。

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