今沢カゲロウ「Superlight」(2012) 

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日本人ベーシスト、15枚目のアルバム。

眩いばかりのキャッチーさで駆け抜けるトランス/エレクトロニカ方面のアルバムだった前作「Hansa」(2011)発売から僅か10ヶ月での新作リリースと相成ったが、いつものように音楽性はガラッと変わっている。

「ヒップホップ/黒人音楽寄りの方向性」(公式サイトより)だそうで、ジャズ、ソウル、ファンク、R&B、ヒップホップ、ハウスといった黒人音楽をことごとくスルーしてきた私がこのアルバムを語ろうとすると一気に厳しさを増してくるが、短いフレーズ/メロディを執拗に反復させるハウス・ミュージックに接近した音、と解釈している。同一フレーズの反復というスタイルは「Snatch!」(2003)以前のアルバムで見られたスタイルであり、ある意味回帰とも言えるが、出てきた音は私が所持している「Psybass Metaloop」(1999)以降のどのアルバムにも似ていない。

決定的に過去の作品と異なるのは、音の聞こえ方が立体的になっていること。彼の作品に対する私の印象としては、曲調がどうであれ、空間をビッシリ埋めた平面的な音の壁が迫ってくるというか、とにかく「音そのもの」を聞かせるイメージだったのだが、「Superlight」は音の隙間であるとか、あるいは奥行きを強く意識させる仕上がりになっている気がする。言い換えれば、今までとは全く異なる気持ち良さを味わえるアルバムである。こう来たかー。

作品の出来不出来と直接関係のある話ではないが、「Hansa」と続けて聴くと、アッパーな「Hansa」から比較的落ち着いた色調の「Superlight」への流れが結構イイ感じだったりする。ラニング・タイムも2枚併せて約52分と、これまたちょうどいい具合。

2012/07/06 Fri. 22:34  edit

Category: CD/DVDレビュー:国内あ

Thread: 邦楽 - Janre: 音楽

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