Kraftwerk「Trans Europe Express」(1977) 

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私がKing Crimsonをはじめとする(他の4つのバンドを敢えて出していないのは、マトモに聴いていないからです)英国の大御所以外のプログレ魔境に足を踏み入れた瞬間というのは、以前Marillion「Seasons End」レビューでも書いた、埼玉のK君の家に遊びに行った時。この時にどこかの書店で手に入れた「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック」(音楽之友社)を購入した瞬間、私は魔境の泥沼に足を踏み入れたのである。

英独伊仏米日その他の国の様々なスタイルのプログレ作品が紹介されていたが、その本を読んで興味を持ったいくつかのミュージシャン、グループの中の1つが今回紹介するKraftwerkである。一般的には「テクノ」の括りで語られるグループなので、この本に出会っていなかったらこの時期に辿りつくことはまずなかったと思う。そもそもテクノがプログレの文脈で語られることがあるということ自体、知らなかったのだから。

残響音をカットした電子音によるパーカッション、無機質なヴォーカル、最小限の歌詞と単純なメロディの反復で構成された音楽は「テクニカルでハード」という「当時の私にとってのプログレの定義」とは正反対と言っても良いもので、装飾音もシンプルかつ最小限なものに留められ、当時の私にとっては初めて耳にする、異質そのものな音世界だった。

しかし次作「The Man Machine」(1978)が私の耳には完全に「テクノ」に聞こえて最早受け付け難いのとは対照的に、「Trans Europe Express」はその異質さが私の心を捕らえて離さない。執拗なまでに磨きこまれた音の1つ1つは、平板でありながら豊穣。アタマでは安っぽく古臭い音にしか思えないのにそういう風には聞こえず、聴き飽きない。不思議な作品ではあるが名盤と呼ぶに相応しい1枚。今なら2009年にリマスター&ジャケット新装の再発盤が期間限定1500円で買えます。ジャケ買い(今回の廉価版発売からは外れているが「Autobahn」「Radio-Activity」のデザインもシンボリックかつシンプルなもので非常にクール!)でもきっと損しない。

ちなみに2009年の再発からは初期の3作は省かれている。というか、Kraftwerkの歴史上「なかったこと」にされており、公式サイトのディスコグラフィにも記載はなく、そもそも正式にCD化されたことがない。昔はタワレコとかで工事用コーンが描かれたジャケットの海賊盤と思しきCDをよく見かけたが、今でも置いてあるもんなんかな。


Kraftwerk"Europe Endless"

2012/02/19 Sun. 22:48  edit

Category: CD/DVDレビュー:K

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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