今沢カゲロウ「Hansa」(2011)

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日本人ベーシスト、今沢カゲロウ2年ぶりの14thは10th「Folks」以来となる自主レーベルからの発売。

過去2作のジャズ・ロック路線から一転、エレクトロニカ色が非常に濃い作品となっている。3月の震災の影響というのは当然のように新作にも及んでいるワケだが、彼は「逆に今こそ皆さんの心をアゲていく、明日への意欲を高めていくような音楽」(公式サイトの日記より)を作る道を選んだ。

というワケでしょっぱなの"Garp"から非常にテンションが高い。ハレーションのように強い光を放つ音の連なりの中を力強いスラップ・ベースが駆け抜ける曲。「Cyborg OM」の強制ピストン運動のごときあのマシーナリーな感触が蘇っているが、当時のダークでマニアックな質感が華やかかつ洗練された、キャッチーなものに変化している。尖った音楽性の中にシンプルでフックのあるメロディを上手く共存させていると思う。"Sell"は暖かみも感じるし、"Splashman"はまさに心がアガる曲。カッコいい。

惜しむらくは6曲入りで21分という尺の短さ。さあここから、というところでブツッと終わってしまう"Garp"を筆頭にどうも食い足りなさが残る。長ければ良いというものではないが、せめて30分台後半ぐらいあればなあ。惜しい。

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