ProjeKct Two「Live Groove」(1999) 

livegroove.jpg

「今これをレビューする意義があるのか?」フェアー第2弾。あ、第1弾は1つ前のエントリです。

第5期のWトリオ編成のKing Crimsonは「Thrak」リリースとそれに伴うツアーの後、新作の曲作りの一環としてWトリオを解体(Robert Frippは「フラクタル分裂」と称した)した3~4人の「ProjeKct」と名付けられたユニットによるレコーディング/ライヴ活動を97~99年にかけて行った。今回紹介するのは「One」から「Four」まであるProjeKctの2つ目(でも活動を始めたのは一番最初)にあたるProjeKct Twoのライヴ盤。

ProjeKct One~Fourの全てに参加したのはRobert FrippとTrey Gunnのみで、あとOneとFourでTony Levinが参加しているのだが、注目すべきはProjeKct Twoで本来はギタリストであるAdrian Belewがドラマーとしてクレジットされていること。弦楽器隊がほぼ固定なだけに、ドラマーのキャラクターがそのままProjeKctシリーズ各作品の個性に反映されている気がする。どうしても70年代CrimsonぽくなるBill Bruford(ProjeKct One)、オーソドックスな8ビートが一番似合うのに凝り過ぎてどうにもマニアックな音になってしまうPat Mastelotto(ProjeKct Three & Four)に対し、本作におけるBelewは本人のキャラクターそのままに軽快なプレイを聞かせる。ちなみにBelewはV-Drumを使用。

さすがにタイトさという面では本職に一歩譲るがドラムをワン・ステージこなしてしまうのは素直に凄いし、また「ギタリストなのにドラムをワン・ステージこなしてしまえて凄いね」で終わりではないところも凄い。本作に先立って98年にリリースされたスタジオ盤「Space Groove」はBelewのドラムも含め、全編で手探り感が漂うアルバムだったがライヴではまるで別バンドのようにヘヴィかつ強靭なグルーヴを生み出している。BrufordやMastelottoと異なるキャラのドラマーを得て、Frippのギターもまた饒舌。肩肘張らずに聴けるポップなアヴァンギャルド・ミュージックとしての完成度はかなり高い。なお、ラストに"21st Century Schizoid Man"が収録されているがこれはほとんどジョーク。

この後、ProjeKctはBrufordの離脱やスケジュールが合わなかったLevinの不参加を受けて残る4人からなる第6期Crimsonへと収斂していくのだが、第6期の作品で現れるフレーズが登場していたり、Crimsonのライヴでも演奏された"The Deception Of The Thrush"が収録されていたりと、後追いのKing Crimsonリスナーにも興味深い作りになっていると思う。70sの味わいを求めるならProjeKct Oneがいいし、ProjeKct FourはProjeKct Twoより更にその後のCrimsonに接近しているが、まず何より1枚の作品として出来がいいのはコレ。

2011/08/20 Sat. 12:40  edit

Category: CD/DVDレビュー:P

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

tb: 0  |  cm: 0

top △

コメント

top △

コメントの投稿

Secret

top △

トラックバック

トラックバックURL
→http://hishiryo.blog95.fc2.com/tb.php/238-e5e6fe4c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top △