非思量

ARTICLE PAGE

24 2011

Queensryche「Dedicated To Chaos」(2011)

dedicaterdtochaos.jpg

バンド結成30年目にしてYの上からウムラウトが消えたQueensrycheの12枚目のスタジオ・アルバム。正式メンバーはGeoff Tate(Vo)、Scott Rockenfield(Dr)、Eddie Jackson(B)、Michael Wilton(G)の4人で、ツアーにも参加したGeoffの娘婿であるParker Lundgren(G)はAdditional Guitarsとしてクレジットされている。

アルバム発売前に"Get Started"を聴いた時はあまり印象に残らなかったのだが、公式アカウントがYouTubeで公開していた"Wot We Do"にはさすがに度肝を抜かれた。



まるでR&Bとかヒップホップのような(て、門外漢だから書いていてあまり自信がないんだが…)謎めいたグルーヴ。Geoffは新作を「『Empire』の未来盤」と表現しており「言われてみればアダルトになった"Last Time In Paris"って感じはするかな…」と思えなくもないが、どちらかと言うと比較対象として浮かんでくるのは「Promised Land」「Hear In The Now Frontier」(以下HITNF)といった問題作群。比較対象と言ってもこの2作と「Dedicated To Chaos」が音楽的に似ているワケではない。共通項は聴き手にもたらされる「なんで『○○』の次にこれが出てくるの?」という感情で、『』の部分が前回は「Empire」で今回は「American Soldier」になる。

音楽的には拡散の極みといった趣きで、まがりなりにもハード・ロック風味を残した"Get Started"のような曲もあるが、伸びやかな"Around The World"のようなバラードもあれば"Higher"のようにファンキーなテイストの曲もあり、"Hard Times"のようにメロウな曲もあり、そして前述の"Wot We Do"のような曲もあり。多様な音楽性がヴェテラン・ミュージシャンというフィルターを通じて、変なプログレとしか形容のしようがない音になっている。Geoff Tateのソロ・アルバムで見られた多様性をさらに大胆な形で推し進めたアルバム、というのが最も適切な表現かも知れない。

私は前作の「American Soldier」が結構気に入っていて、Chris DeGarmoが抜けた後のQueensrycheの1つの到達点だと思っている。もう彼らもいいトシなので、ああいう作風で落ち着いてくれんかなあ、と思っていたがものの見事に裏切られた。まあ「American Soldier」云々を抜きにしてもとにかく奇妙なアルバムで、とてもではないが胸を張ってオススメはできない。

でも何故か自分の部屋で超ヘヴィ・ローテーション中。奇妙なアルバムではあるのだがGeoffのメロディが今回は結構堂に入っていて、特にプログレ色の強い"Hard Times""Big Noize"はクセになる味わい。"Wot We Do"もリズムの使い方が面白くて何となく嵌ってしまう。最早一部の物好きと盲目的なファンにしか受け入れられないのではないかという気がするが、私は好きなので別にいいや。しかし、さすがに今回は来日はないだろうな。

0 Comments

Leave a comment