Anna Pingina「Moy」(2010)

moy.jpg

ロシア人女性シンガーAnna Pinginaの、これがデビュー作だそう。ロシア語表記はАнна Пингина「Мой」。ただでさえ普通のレコード屋で見つけるのは困難でしかも自主制作。どこで買えばいいのかね…と困った時はとりあえずGarden Shedを探せばたいていのブツは出てくる。恐ロシア。この作品、「LEVEL4 & LEVEL5」の項をよく探すと出てきます(Ctrl+Fキーを押してAnna Pinginaで検索をかければすぐ出てくるハズ)。

Garden Shedでは同じロシア人女性シンガーのInna Zhelannayaが引き合いに出されていたが、同時期に買ったZhelannnayaの「Cocoon」(Trey Gunn参加)をまだちゃんと聴けていないので、似ているかどうかはちょっとわからない。Pinginaのヴォーカルは、最初の前衛トラッド的な2曲では素朴な響きを持っているが、フィーメイル・ポップスの王道メランコリック・ナンバー的な3曲目あたりから徐々にロック/ポップ・フィールドのシンガーとしての顔を見せる。かと思えば後半ではシリアスかつドラマティックに歌い上げたりと、良い意味で「個性がないのが個性」とでも言えそうな声質で様々なスタイルの歌唱を見せている。上手いと思う。

上記の通り楽曲のカラーも多岐に渡るが、トラッド色の濃い曲でもベースとドラムが結構ズッシリとロックしていたり、ポップス色の強い曲でもアコーディオンやら笛やら木管やらが豪快に鳴り響いたり突然ダーク・アンビエント調になったり、「とっ散らかっている」という言葉がこれほど似合う作品もないなあ、というぐらいの拡散ぶり。10曲目なんてケルト色まで取り込んでるぞ。しかもどの曲も出来が良いし聴き易い。いやあ、これは凄いぞ。

クレジットを見ても全部ロシア語で何を書いてるのかさっぱりわからないんだが、これがセルフ・プロデュースだったら末恐ろしいな。でも違うだろうな。この作品以前に様々なミュージシャンとのコラボを経験してはいるみたいだが、デビュー作でこの完成度はちょっと普通ではない。洗練されたサウンドから察するに、様々な面でキッチリ金をかけて作られた作品だろう。まあいずれにせよ傑作。オススメ。


Анна Пингина"Реченька" アルバムの3曲目。

0 Comments

Leave a comment