非思量

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01 2011

Steve Reich「Double Sextet/2x5」(2010)

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ミニマル・ミュージックの大御所、Steve Reichの2010年作。全2曲約43分のアルバムで、それぞれ3つの楽章("1.Fast""2.Slow""3.Fast")に分かれている。

1曲目の"Double Sextet"は2007年に作曲され、2009年のピューリッツァー賞を受賞している。Eighth Blackbirdというフルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ヴィブラフォン、ピアノの6人からなるグループによる演奏なのだが、曲名の通り、この6人による演奏に合わせて同じミュージシャンが演奏するというスタイルを採っている。ピアノの細かいフレーズがまさにミニマルという感じで、きめ細やかでありながらダイナミックなアンサンブルとアコースティックの美しい響きがキャッチーさすら感じさせる。

2曲目の"2x5"はBang On A Canという5人編成のバンドによる演奏。"Double~"同様、自身の録音とバンドが共演するスタイル。ツインEギター+Eベース+ピアノ+ドラムという編成からして"Double~"よりもロック色が強いのだが、左右に振られた各クインテットが複雑怪奇に絡み合うサマは80年代のKing Crimsonを想起させないでもない。こちらも細かい破片をランダムに張り合わせたような難解なメロディやリズムを持っているにも関わらず、トータルとしてはとっつき易い。いずれも印象に残る、優れた曲だと思う。

King CrimsonやNik Bärtschといったミニマル・ミュージックを取り入れた音楽を愛聴する割りにReichのアルバムはこれを含めて2枚しか持っていなかったりする、しかももう1枚の「You Are (Variations)」は「Double Sextet/2x5」が良かったので慌ててラックから引っ張り出してきて聴き直しているような有様であるが、静のパート、動のパートいずれにおいても年齢(1936年生まれ!)を感じさせないエネルギーを放つ、非常に豊かな音楽を書く人なのだな、と感じた。ホント今更こんな感想でごめんなさい。もっと早く聴くべきだった。私はここ10年ほどはプログレ関連の書籍やサイト、ブログから情報を得ているが、Reichて意外とプログレの文脈では出てこない名前なのよね…。


"Double Sextet"第三楽章。iCQ Projectによる演奏。

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