Mr. Big「What If...」(2010) 

whatif.jpg

明けましておめでとうございます。昨年末にザザッとメモ書きしておいたものを誤ってアップロードした状態で放置状態になっていたMr. Bigの新譜レビューから今年はスタートであります。あれを書いた翌朝ブログを開いた瞬間に眩暈がした。あのメモに言いたいことのほぼ全てが詰まっているので、あれを読んだ方はここから下は読まなくても大丈夫です。いやまあそれは冗談ですが。いや、あながち冗談とも言えないな…。

私は解散前のMr. Bigなら「Lean Into It」「Hey Man」「Actual Size」の3枚を持っているが、特に熱心なファンだったことはない。しかし「Hey Man」だけは別格に好きである(余談だが、当時「炎」で酒井康がこのアルバムをボロカスに叩いていた記憶があるなあ)。"Trapped In Toyland"、"Take Cover"あるいは"The Chain"といった煮え切らないジトジトした空気を纏った曲がたまらなくツボに入ったのだ。今でもこの作品だけはたまに聴いている。

だから最初は完全スルーの構えでいたのにひょんなことで1stシングル"Undertow"を耳にした翌日に速攻でCDショップに走るのも必定であった。どうせ劣化版「Lean Into It」だろうと思っていたのがまさかの「Hey Man」テイストだったのだから。



しかし、そんなことよりもBilly Sheehanの過剰なまでに音の大きく、スキあらばムチャなフレーズを押し込んでくるベースは一体どうしたことか。このベースのおかげでアルバムを貫くグルーヴが尋常ならざるものになっている。そんな中、Paul Gilbertも負けじと速弾きを炸裂させ、場合によっては狂ったようなユニゾンやギター&ベース・バトルも辞さずの、生半可なプログレ・メタル勢が裸で逃げ出すスーパー・プレイ博覧会。キミタチサイコダヨ。一方、Pat Torpeyだけは辛うじて理性を保っているように聴こえる。

そんな「もうこの1枚で終わっても知ったことか!」と言わんばかりに狼藉三昧のヤケクソなエネルギーを放ちまくるアホアホ弦楽器隊を向こうに回して大立ち回りを演じるEric MartinのVoが全く負けていないのがまた凄い。CDショップで流れていた「Mr. Vocalist 3」を聴いて「昔より上手くなってる?」とは思ったが、歌が入っているパートでの「オレが主役だ!」という自己主張はこれまでになく強烈。"Nobody Left To Blame"でのファルセットを交えた歌唱などはヘヴィな演奏に一歩も引けをとっていない。

なんでこれで歌モノとして成立しているのかが不思議でしょうがないぐらいどっしりした音なのにしっかり歌モノになっていて、しかもポップ。実は弦楽器隊もVoや曲の光を消すようなプレイはしていない。まさに「祝・仲直り」である。「Lean Into It」的なものは後半のいくつかの曲で僅かに垣間見えるだけだが、シブ過ぎるバカテク・メタルというワケのわからない境地を開いたこのアルバム、個人的には手放しで褒め称えたい気分。

2011/01/05 Wed. 23:14  edit

Category: CD/DVDレビュー:M

Thread: HR/HM - Janre: 音楽

tb: 0  |  cm: 0

top △

コメント

top △

コメントの投稿

Secret

top △

トラックバック

トラックバックURL
→http://hishiryo.blog95.fc2.com/tb.php/214-a9d52d12
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top △