非思量

Nik Bärtsch's Ronin「Llyrìa」(2010)

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ECMからは3作目、通算では6作目となるNik Bärtsch(Baertsch、Bartsch)率いるピアノ+サックス、クラリネット+ベース+ドラム+パーカッションのクインテット、Roninの新作。タイトルにあるLlyrìa(Llyria)というのは、海底に住む発光性を持つ動物で、最近発見されたものだそう(ググッてみたが詳細は何もわからず)。

ECMデビュー作「Stoa」までの極端な構築主義が行き着くところまで行ったせいか、前作「Holon」から音楽性にやや拡散の兆しが見え始めていたが、今回もそんな「Holon」の路線を引継いでいる。静謐なムードにサックスが映える"Modul 48"、どんなに奇妙なリズムでもスムーズに聴かせていたのに、逆に6拍子の繰り返しをカクカクと引っかかりのあるリズムに解体した"Modul 52"、ピアノ、ベース、パーカッションがやたらと切れ味の良いフレーズを繰り出す"Modul 47"、ドラムとパーカッションがダイナミックな"Modul 51"等々。

ブイブイ言わせるベースが少しだけ退いて、ミニマルで肉感的な側面を強調するのではなく、そういった部分を楽曲の中の一要素として溶け込ませる方向へと進んでいる。刺激的かどうか、の一点においては「Stoa」が上だ(こちらも大概慣れてきたしな)が、バンドの音楽的なコアはそのままに高い一般性を獲得した佳作。「Holon」から順調に進化していると言えるだろう。ついつい繰り返し聴いてしまう聴きやすさと中毒性は健在。

で、国内盤は出ないんですか?

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