The National「High Violet」(2010) 

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2005年の3rd「Aligator」と4th「Boxer」で(日本以外では)ジワジワと人気が上昇していたNY発5人組の5th。ここにきて人気も(日本以外では)本格化してきたようで、公式サイトのツアー・スケジュールを見ると半年先までビッシリ。欧米各国でひっぱりだこの模様。

「Aligator」→「Boxer」ときて「もっと尖った音になる」という私の予想(というか期待)に反して、ドラムを筆頭に音はやや柔らかくなった。楽曲の方向性は前作「Boxer」の延長線上にあるが、歌は「Aligator」の熱を帯びたヴォーカリゼーションが復活していて、全体的にはやや饒舌になった印象。

それはまあいいとしても、前作の“Fake Empire”“Brainy”といったような強力な楽曲がないことがこのアルバムのウイークポイントになっている。“Afraid Of Everyone”“England”等々良い曲はあるのだが、前作のようなフックやメリハリに欠ける、言い換えるとアルバムの中で陰影があまり感じられず、それが個々の楽曲の印象の薄さに繋がっているような気がする。

ゲストを多数迎えたインストはより緻密さと奥行きを増し、慎重に重ねられた豊かなサウンドをヘッドフォンでじっくり聴き込むとか、あるいは音の波にただ浸るには非常に適したアルバムで、これはこれで中々の快作ではある。実際、購入してから結構な回数聴いているし、聴くたびに「いいなあ」とも思っている。ただ、前作「Boxer」がとにかく私にとっては00年代を代表するほどの傑作なので、期待が大きかった分、どうしても向けられる言葉が厳しくなってしまうのだ。どうしても「まずは『Boxer』を聴いてね」という結論になってしまうなあ。

ついでに書いてしまうと、正確には「ヘッドフォンをして」「歌詞カードとにらめっこしながら」じっくり聴き込みたいアルバムなのだが今回も歌詞カードはなし。そういうところ、ケチらないでよ。私は輸入盤を購入したが、国内盤には歌詞カードはついてるんですかね?もしついているのなら国内盤を買うべし。

2010/06/02 Wed. 21:36  edit

Category: CD/DVDレビュー:N

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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