非思量

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29 2010

Shining「Blackjazz」(2010)

blackjazz.jpg

スウェーデンノルウェー産5人組の5th。2005年の3rd「In The Kingdom Of Kitsch You Will Be A Monster」がKing Crimson風シリアス路線からホラー映画のBGM、さらにはアコースティック・ジャズ、果てはムード・チェンバーまで突っ込んだたった39分でお腹一杯のゴッタ煮アルバムで、出来の良し悪しはともかく聴いていてとにかく疲れるので4枚目は何となくスルーしてしまったのだが、コチラを読んで興味を持ったので購入。

一言で言えば「どうしてこうなったのか」。これしかない。カミソリのごとくシャープなドラムが空気を切り裂く中、刺々しいシンセは雷鳴のように轟き、下卑たギターやサックスは槍のように降り注ぐ。そんな毒毒しいサウンドでもってブラック・メタルやインダストリアル、ポスト・ロックをアヴァンギャルドというミキサーにブチ込み「Will it blend? Yes, it blends!」と笑顔を振りまきながらミキサーの中で紫色になった何かを嬉々としてブチまけるような、そんな音楽。非常にタチが悪い。

個人的にこの作品のハイライトは5曲目の“Healter Skelter”。このサックスのフレーズ、3rdに収録されていた“Redrum”という曲からの引用なのだが、ドラムとサックスが一体になって僅か2分で駆け抜ける物凄くカッコいい曲が5分半にエクスパンドされており、「一気に駆け抜けようとして両足が複雑骨折を起こして坂道を転げ落ちる」ようなグッチャグチャな姿に変わり果ててしまっている。この曲に限らず、もう最初から最後まで押しの一手、ラストに収録されたKing Crimsonのカヴァー“21st Century Schizoid Man”も「現代に蘇った『Earthbound』」といった趣きで言葉も無い。「Crimsonのカヴァーが収録されているから」という理由だけでこのアルバムを買った古典プログレ・マニア(そんな人がいれば、だが)はどんな感想を抱くのだろうか。ちなみに演奏は非常に統率が取れているし「音そのもの」は意外と聴きやすかったりする。

この作品を聴いたら、恐らく反応は「絶賛」か「嘔吐」。このどちらかしかないと思うし、メンバーもそれでいいと思っているのではないか。まあ騙されたと思って聴いてみなせえ。吐いても知らんけど。

2 Comments

七誌  

初めまして。
この記事とこのブログ内に貼ってあったYOUTUBEを聴いて気に入ったのでディスクユニオンサイトで探してみましたが、もしかしてスウェーデンではなくノルウェーのバンドではないでしょうか?

2013/01/25 (Fri) 18:30 | EDIT | REPLY |   

cota  

Re: タイトルなし

ありがとうございます。ご指摘の通り、ノルウェーのバンドです。
「Live Blackjazz」のレビューでは合っているのにどうしてここで
間違えたのか…。スウェーデンにも同名のバンドがあるので、これは
いけませんね。申し訳ないです。

2013/01/25 (Fri) 22:56 | EDIT | REPLY |   

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