Type O Negative「October Rust」(1998) 

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Peter Steele逝去。

もうしばらくすれば大好きなミュージシャンがいなくなってもおかしくない年齢層に入ってくるので、心の準備のようなものはしていたつもりだったがまさか48歳の若さで彼が旅立つとは。今宵はこの世で最も美しいアルバムの1枚である彼のバンド、Type O Negativeが98年にリリースした4th「October Rust」を追悼がてらレヴューしたい。

彼らの初のヒット作である3rd「Bloody Kisses」は尺の長い曲からインターミッション風の短い曲、あるいはパンキッシュな高速ナンバーからドゥーミーなスロー・ナンバーまであらゆるスタイルを駆使してダーク&ディープかつ退廃的でエロい世界を描き出しており基本的な路線は続く「October~」でも踏襲されているが、繊細なキーボードとPeter Steeleのエロい低音を強調したスローな楽曲の数々は不吉で官能的、かつロマンティック。私がMTVで見てこのバンドにハマるキッカケとなった“Love You To Death”や、重厚なキーボード・リフやサビのメロディに吸い込まれそうになる“Red Water(Christmas Mourning)”など、クオリティも極上。

ただ、ヘヴィながら聴きやすいサウンドが「軟弱になった」という批判につながったようで、続く「World Coming Down」(Peterは当時の自身が酷い状態だったとかであまり気に入っていないらしいが、このアルバムも傑作)はより遅く、かつ重くなり、「Life Is Killing Me」「Dead Again」では3rdの雑多で猥雑な路線に戻っている。だからむしろ異色作なのかも知れないが、官能的な美を極限まで追求した「October Rust」こそが私の中ではこのバンドの最高傑作である。72分間遅い曲が続くので後半はちょっと飽きるんだけどね。

Peterは「World Coming Down」において、諦念を漂わせたまろやかなメロディで“Everything dies”と歌っていたが、銀色の円盤の中で彼の声は永遠に生き続ける。彼の魂の穏やかならんことを。


Type O Negative“Love You To Death”

2010/04/18 Sun. 02:54  edit

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