Halford「Winter Songs」(2009) 

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Judas PriestのVo、Rob Halfordが自らのソロ・プロジェクト、Halfordを再始動。7年ぶりの3rdアルバムはなんとクリスマスを意識したアルバム。全10曲中、“We Three Kings - 賛美歌第二編52番「われらは来たりぬ」””Oh Come O Come Emmanuel - 賛美歌94番「久しく待ちにし」”といったパブリックイメージとかけ離れたカヴァーが6曲を占めている。ちなみにRob以外のメンバーはRoy Z(G)、Metal Mike Chlaciak(G)、Mike Davis(B)、Bobby Jarzombek(Dr)、あとブックレットにその姿は写っていないがEd Rothがキーボーディストとしてクレジットされている。

鍵盤奏者がメンバーとしてクレジットされているのがこの作品のミソで、しょっぱなのオリジナル“Get Into The Spirit”こそ例のヒステリック声で全編通すHalfordらしいゴリゴリした曲だが、続く“We Three kings”“Oh Come O Come Emmanuel”(ブックレットのクレジットではEmmanuelではなくEmanuelになっているが、まあ同一の曲だろう)はピアノも入っていてどことなくHelloween風。彼らにしてはソフトな仕上がりなのだが、Sara Barelles/Ingrid Michaelsonのカヴァー“Winter Song”はもっとソフトなピアノ・バラード。途中からはストリングが入ってくるが、ギターのトーンは終始クリーン。これまでのイメージとは180度正反対と言ってもいい雰囲気になっている。後半もオリジナルのR&R風や賛美歌(“Oh Holy Night - さやかに星はきらめき”等)も飛び出すがキーボード/シンセが前に出ていてギターは控えめ、メタル色はほぼ皆無で、まがりなりにもメタル・ゴッドの称号を持つ人のアルバムとしてはかなり異色である。

これはあくまで私個人の憶測だが、この作品は以前のようなハイトーンのメタル・ソングを歌うのが苦しくなってきたRobの、クリスマス・アルバムという皮を着た実験なのではないかなあ、という気がする。というのも、唯一ゴリゴリしている“Get Into The Spirit”もレンジとしては「無理にその声で歌わなくてもいいのでは?」という程度の高さなのね。メタル・シンガーとして限界が近い(既に限界だと私は思っているが)ことを見越して低中音域で歌えるスタイルをこのアルバムを通して模索している、通して聴いてそんな印象を抱いた。

まあ私は「Angel Of Retribution」のボーナスDVD収録の、ライヴでアコギを従えて朗々たる歌唱を聴かせる“Diamonds And Rust”に深い感銘を受けた身なので「とっとと別の道に進めば?」と思うのだが。バックをディストーションをかけたギター+ツーバスのドラムからアコギ+ピアノ+ストリングスに替え、あの独特な声だからこそ切り拓ける新境地を見せて欲しいのだ。いやマジで。

しかし世界中のヘヴィーメタルメイニア達がそれを許さないんだろうなあ。来年で還暦になんなんとする老いたシンガーが“Painkiller”を求められるというのも少々残酷な話である。まあそれはともかく、少し地味な感じもするがRob Halfordというシンガーの様々な表情を味わえる作品としては悪くない。10ヵ月後にこれを聴きながらクリスマス気分を味わうというのはどうでしょうか。


Halford“Get Into The Spirit”
このタイプの曲はこれだけ。

2010/02/15 Mon. 20:58  edit

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