映画「Anvil! 夢を諦めきれない男たち」を観た。 

関東では既に公開され、何かと話題になっていたAnvilのドキュメンタリー映画(原題:Anvil! The Story Of Anvil)がようやく大阪でも公開されたので観てきた。ネタバレ上等で感想なぞ書いてみる。一応ここから先はクリックしないと開かないようにしておくが、ここから先を読もうが読むまいが観ておいて損はないと思う。素晴らしい映画だった。
上映館はシネ・リーブル梅田という、100人入るか入らないかのホールが2つあるだけの小さな映画館。今風に言うと所謂ミニシアターというヤツで、私はここで客が30人以上いるのを見た記憶がない。

しかし今日は違った。30分前にチケットを購入したところ、整理券の番号がなんと63番!普段は同じようなタイミングでチケットを買えば大抵15番以内なのだが、前の回の上映が終わる頃にはホール前のスペースが人で埋め尽くされている!「ひょっとしたら混んでるかもなあ」とは思っていたが、ハッキリ言って自分の想像を超えていた。何せ席がほとんど全て埋まっているのだ。客層もこれまたこちらの想像を超えていて、てっきり汗臭いメタラーばかりだと思っていた(そういう人もいるにはいた。AmorphisのTシャツを着てる人とかいたし)が、女性2人連れや「デートで来ました」みたいなカップルも多数。

デートでAnvilとはまた豪気な話しであるが、バンドのイントロダクション的な冒頭の部分では例の「バイブを使ってギターを弾く」シーンとか、果ては「リップスが素っ裸でギターを持っている(チ○チ○が無修正でバッチリ写っている)」ポスターのカットとかが出てきていて、この時ばかりは「1人で来て良かった」と少しだけ思った。

しかしこの部分はあくまでサワリ、「ジェットコースターのようなテンションが凄く面倒くさそうなハイパーポジティヴ人間」リップスと、家族以上の絆の強さで彼を支えるロブの救われない珍道中(1万人収容の会場に客が174人しかいなかったりとか、英語をろくに話せない欧州人マネージャーが素人同然というかモロ素人で全然仕事ができなくて会場に辿り着けなくてギャラがもらえなかったりとか)→新作で巨匠Chris Tsangaridesに1st以来のプロデュースをオファー→200万円いると言われてションボリ→家族が金を貸してくれることに→リップスとロブが大喧嘩をしたりしつつもアルバム完成→意気込んでアルバムをレコード会社に売り込むも相手にされなくてまたションボリ→もう自分達で売るしかねえ!→新作を聴いた日本のプロモーターからフェスへ出演依頼→そして大団円へ、という、シナリオが予め用意されていたのではないかというくらい出来過ぎな話が、彼らを愛するファンや家族、ミュージシャンのコメント等を交えつつ展開していく。

凄く面倒くさそう、と書いたが、ツアー中「この会場では演奏しない」とかブチ切れたりしている(映画を観ればわかるがあれで切れない方がおかしいとは思う)が、カナダに戻れば「彼女(欧州人マネージャーのこと)は一生懸命やってくれた。ギャラはゼロだったが後悔はしていない」と迷いのない表情で言い切るリップスはきっと凄くいい人。そして間違いなく、子供のように純粋。あんなに目をキラキラさせた笑顔が眩しい50過ぎのオッサンなんていないぞ。だからこそ地元のファンに愛され、家族からも(半ば呆れられつつ)愛されているのだろう。

それだけに、せっかくラウドパークに招かれて20年ぶりに来日したのに出番は午前中しかもトップバッターということで「2万人収容できる会場で客が5人しかいなかったら…」と不安を隠さないリップスがいざステージに出てみれば目の前にはフルハウスの大観衆、恐らく感激の余り故の行動だろう、思わずステージを駆け下りて観客のすぐそばの通路まで行ってギターをかき鳴らすサマを見て「この映画がハッピーエンドで終わって良かった」と心から思えた。普通なら「生活は苦しいしせっかく作った新作は自信作なのにレコード会社に相手にされなくて…でも構わない!オレ達はスターになることを諦めないぜ!」という、ノンフィクションであるが故に何となく腑に落ちないことになっても全然おかしくない展開だっただけに。

というワケで、冴えない50男が主人公であるにも関わらず爽やかな気持ちで観終えることができた。ホールを出たら次の上映を待つ沢山の客が…。マジか。当のバンドは今年もラウドパークに来日、映画の試写会後に生演奏を披露したりもしたらしい。この人気が長続きするかどうかはわからんが、何にしても千載一遇のこのチャンス、彼らにはしっかりお金を稼いで欲しい。映画を観た後に立ち寄った茶屋町のタワレコでもAnvilのCDが何枚も置いてあったぞ。

で、私が購入したのは当然Anvil…じゃなくてOne Republicだったんですけどね。エヘヘ。あ、そういえば映画の中でメタル系のミュージシャン数名がAnvilについてコメントしていたが、Lemmyがしゃべると凄く説得力があるのに、これがLars Urlichだと何故か何をしゃべっても「コイツ、台本に書いてある通りにしゃべってるだけだろ」感が漂っていたのは気のせいですかね。

2009/12/06 Sun. 01:34  edit

Category: ライヴレポ、雑記等

Thread: HR/HM - Janre: 音楽

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