聖飢魔II「悪魔Nativity “Songs Of The Sword”」(2009) 

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日本のアニメ監督とのコラボ&欧州からのオファーに応える形で突如再編を果たした聖飢魔II。欧州19カ国+カナダ、米国のiTMSから配信された音源プラス新曲(通常盤のみ)をCDにパッケージして国内向けに発売されたのが今回紹介する「悪魔Nativity “Songs Of The Sword”」である。再編と書いたが、ツイン・ギターの片割れエース清水は不参加、代わって3rd「地獄より愛をこめて」までエースと共にギターを弾いていたジェイル大橋が参加している。

基本的に旧曲の再録なのだが、海外での配信というのがそもそもの前提であるためか、歌詞の95%以上が英語となっており、また、純邦楽とのコラボレートを重ねている閣下の人脈から邦楽奏者が招かれ、曲によっては「和」のテイストを非常に強く打ち出しているのが特徴。

以下、オリジナルと趣きが変わっている曲や、通常盤(赤いジャケ)と限定盤(青いジャケ)でヴァージョン違いとなっている曲及び新曲について、通常盤の曲順に従い、自分が分かる範囲で記す。なお、英語化に際し改題された曲については、曲名の後に()カッコにて原題を記してある。

・Prince Of Jigoku(地獄の皇太子)
歌詞の英語化の影響を最も受けている曲。Aメロが一気にまくしたてるメタル・コア調(?)になっていてこれがまたカッコいい。「この期に及んでここまで変えてくるのか!」と感動したが、他の曲のメロディはさして変化していなかった。

・The House Of Wax(蝋人形の館)
限定盤には閣下の前口上が入っている。

・Masquerade
限定盤ではエンディングからシームレスで次曲“Create The New Century”(創世記)につながっている。

・Big Time Changes
この曲のギター・ソロが、ギタリスト編成替えの影響というか、効果が最も現れている。一音ずつ丁寧に弾いていたエースと比べて「俺たちロッカー!イエー!」なルーク&ジェイルのノリが前面に押し出されたテイク。

・Pandemic Careers
通常盤にのみ収録の新曲。いかにも「今の」ジェイルが書きそうなアメリカナイズされたルーズかつストレートなロック・ナンバー。

・Oni(鬼)
個人的にはこれがベスト・トラック。福田千栄子の地唄&三弦(途中からかけられているエフェクトが限定盤と通常盤で異なる)や題名などから最も「和」テイストを感じさせる。重量感あふれる今回の音はこの曲にハマっており、この音をバックに15年前の閣下が歌っていたらさぞかし凄いことになっていた、かも知れない。今の閣下は基本的にクリーンなトーンで滑らかな歌唱を聴かせる。それ自体に文句はないが、90年前後の技術と荒々しさがせめぎ合っていた頃の太い声で歌えていたらなあ、と、曲によっては思わされる。

・A Demon's Night(Demon's Night)
2007年に行われた閣下のソロ・ツアーで演奏されたヴァージョン(アレンジは石垣愛)が元になっており、「The End Of The Century」に収録されたオリジナルとは雰囲気が全く異なる。限定盤では薩摩琵琶をバックに閣下が前口上を述べている。

なお、“Oni”については限定盤、“A Demon's Night”については通常盤においてのみ笙、篳篥(ひちりき)のクレジットがあるのだが、数回聴き比べても限定盤と通常盤の区別がつかなかった。それぞれどこで鳴っているのか、わかる方がいたら教えてください。

・Humane Society(害獣達の墓場)
通常盤の間奏はジェイルによるE-Bowを使用したギター・ソロ、限定盤の方は笙、篳篥による演奏。限定盤は尺八を従えた閣下の前口上あり、F/Oでエンディング。

だいたいこんなところかな。“Big Time Changes”の項で書いたが、ギター・セクションのメンツ変更により「イケイケ+カッチリ」から「イケイケ×2」になったことで非常にノリの良い-所々では「ライヴかよ!」つーくらいラフな-仕上がりになっている。キーボードの使用はかなり控えられ、解散前のラスト・アルバム「Living Legend」のほぼ延長線上にあるサウンドも相俟って(あ、あとモロにバラード調の曲がない)、迫力溢れるヘヴィ・メタル・アルバムになっている。邦楽の導入も付け焼刃ではないので違和感はなく、雰囲気作りに一役買っているのは間違いない。

解散後にファンになった人にとってはリアルタイムで接する初の新譜ということで、これ以上ないプレゼントとなろう。新参者がこのアルバムに興味を持ったのなら、とりあえずは新曲入りの通常盤だけ買っておけばいいと思う。限定盤にはPVを収録したDVDがついているが、別に金を払って見るほどのものでもないし、ヴァージョン違いと言っても前記のように「曲の前にちょっとなんかくっついている」程度なので。

2009/09/19 Sat. 00:04  edit

Category: CD/DVDレビュー:国内さ

Thread: HR/HM - Janre: 音楽

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コメント

来年ワールドツアーするみたいですね。

でも閣下には気合を入れて挑んでいただかないと。
前回の再集結時のようなパフォーマンスでは世界に恥をさらすだけでしょう。
活動時からずっと望んでいたこのなので、メチャクチャ嬉しくて楽しみな反面ちょっと心配です。

でもその前に、配信じゃなくてちゃんとCDでリリースして欲しいなぁ。

ロックは無用 #YyyuZQ7E | URL | 2009/09/25 02:10 | edit

解散前の全都道府県ツアーのときは「徳島でライヴがあることを知ったときは既にチケットは売り切れていた」、再集結時は「チケット発売日に仕事が入り、家に帰ってきたら既に売り切れていた」という、聖飢魔IIのライブに関してはやり切れない思い出しかないので、今回がなんとしてもチケットを取りたいです(笑)。国内で24公演やるらしいんで、1個ぐらいは何とかなると思いますが…。

閣下、何はともあれコンディションの維持には気をつけて欲しいところです。再集結時のヤツはDVDを見ただけなのですが、ホール(古い曲メインのほう)は特にヤバかったですねえ。

CD、現地盤を出すほどのセールスが期待できないし、逆輸入で日本に安く流れ込まれても…という警戒感があるのかも知れませんね。

cota(管理人) #BqEwgRj. | URL | 2009/09/25 21:43 | edit

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