Rachel's「Music For Egon Schiele」(1996)

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※「1997年~2006年の10枚+1」第9回→他のレビューはこちら

Rachel'sを初めてリアルタイムで聴いたのは現時点での最新作「Systems/Layers」(2003)なのだが、ユーロ・ロック・プレスに掲載されていた「Systems~」のレビューで絶賛されていた「Music For Egon Schiele」を先に購入し、インパクトもコッチのほうがあったのであえて「Music~」を紹介。企画名の「+1」はコレです。

というワケでケンタッキー州はルイヴィルという街で結成されたグループの2nd。これ以外の作品では様々なミュージシャンが参加しているが、「Music~」はRachel Grimes(Piano)+Christian Frederickson(Viola)+Wendy Doyle(Cello)というトリオ編成で録音されている。オーストリア出身の画家、Egon Schiele(エゴン・シーレ、1890-1918)を題材としたダンスのサウンドトラックして製作されたもののようだ。

ポスト・ロックや音響派に属すると見られているようだが、プログレ耳で聴けばチェンバー・ロック…というか、ここまで来るとモロに室内楽と言ってもいいのかも知れない。ごくまれにSEが挿入されているが、基本的には3人の演奏が淡々と繰り広げられる非常に落ち着いた音楽で、そのメロディは思わず居住まいを正してしまうほどに凛としていて、美しい。乾いてひび割れた心の隙間を潤すような、シンプルで淡い色彩ながら実に豊かな音。

アルバム全体の雰囲気が、ジャケットやブックレットで見られるSchieleの作品の、どこか退廃的な中に漂う憂いを帯びた色彩に通じている。美しい音楽、物悲しい音楽、暗い音楽が好きなら生涯の友となり得る必殺の1枚。


Rachel's“Wally, Egon & Models In The Studio”

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