James Blackshaw「The Glass Bead Game」(2009) 

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1981年生まれという若き英国人ギタリストの、多分7枚目。前々作「The Clowd Of Unknowing」から「次こそは国内盤が出る」と待ち続けて早幾年(2年だ)、その兆しすらありませんな。

12弦ギターorピアノによる執拗な反復をベースに、SE風な使われ方のヴァイオリンやチェロ(今回は1曲目の“Cross”で女性コーラスも導入)等が奥行きを与えることで作られるダウナーかつ美しい万華鏡のような世界は前作「Litany Of Echoes」の薄暗い闇(そしてそこには目に見えない何かがいる)を感じさせる雰囲気を引き継いでいる。

そういった作風ゆえ1曲1曲は必然的に長くなる(最低でも5分台で10分超えもザラ)のだが、ラストを飾る“Arc”は遂に19分近い超大作に。今までになく大陸的なフィーリングを持つ、ゆったりとしたフレーズを奏でるピアノが4分11秒過ぎから一変、弦楽器を従えて流麗なフレーズを少しずつ表情を変えながらこれでもかこれでもかと14分以上も叩き出し続ける。

この14分間はほとんど絶頂を迎えっぱなしというか、まあなんと言うかこの間の陶酔感/高揚感というのは半端ではない。そして余韻を残しながら静かにエンディングを迎える。私は極端に尺の長い曲は基本的に好きではないのだが、これは久々に引き込まれた。他の曲が淡白に聞こえてしまうほどに圧巻。

できれば暑苦しい夏を迎える今みたいな時期ではなくて、秋の夜長に酒でも飲みながらじっくりと対峙したいアルバム。最近聴いた音楽の中でもとびきり濃厚な1枚。


James Blackshaw“Cross”
どっかの公園でのソロ・パフォーマンス。アルバム収録版はコーラス等が加えられて8分半程度の長さになっている。

2009/06/09 Tue. 22:14  edit

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