Rush「Retrospective 3」(2009) 

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Dream Theater等に強い影響を与えた初期(「Retrospective 1」)、シンセを大々的に導入した80年代(「Retrospective 2」)に続く、アトランティック移籍後の「Presto」から「Snakes & Arrows」までの「Feedback」(カヴァー集)を除く6枚から選曲して構成されたコンピレーション第3弾。余談だが、ジャケットで掲げられている7作品のジャケ写のうち、「Snakes & Arrows」についてはジャケットではなく、ブックレットの表紙が選ばれている。

カヴァー集である「Feedback」から選ばれたのはオマケのDVDにライヴ・テイクが収録された「The Seeker」のみ。CDの方は「Presto」から2曲、「Roll The Bones」から後述のライヴも含めて4曲、「Counterparts」から3曲、「Test For Echo」から1曲、「Vapor Trails」から2曲、「Snakes & Arrows」から2曲の計14曲となっている。

選曲については、個人的にはおおよそ妥当なチョイスだと思っている。自分で70分前後にまとめるという縛りをかけて好みの曲を集めても、割かしこれに近い選曲になりそうなので。“Show Don't Tell”“War Paint”“Cold Fire”“Everyday Glory”“Totem”“Resist”“Freeze”“Good News First”などなど、他にも入れて欲しかった曲は色々あるが、全部詰め込んだら2枚組になりそうだし。CDからは漏れたもののオマケのDVDにPV/ライヴ・テイクが収録された曲もあるので、主要な曲はあらかた網羅できているハズ。

目玉となるのは2点。まずは「Roll The Bones」に収録されている“Ghost Of A Chance”のライヴ・ヴァージョンで、「Snakes & Arrows」発表後のツアーで演奏された初出音源。2つ目は「Vapor Trails」収録曲(“One Little Victory”“Earthshine”)のリミックス・ヴァージョン。「Vapor~」アルバムの音質面については、欧米ではかなりの議論がなされていたよう(このサイトの「☆Cracking &Poping」の項を参照のこと)で、なるほど今回のリミックスでは、楽器の奏でるフレーズ1つ1つがかなりハッキリと聴き取れるようになっている。

だからと言って「良くなったか」と問われれば必ずしもYesと言い切れないのが難しいというか面白いところ。昔やってたサイトでこのアルバムのことを「回春アルバム」と表現したことがあるのだが、「Test For Echo」の後に妻と愛娘を立て続けに失い、その後、現在の妻と出会ったNeil Peart(Dr)の境遇も込みで「バンドの復活」を印象付けるものとして、あの猛々しい音は正しかったと思う(ミキシングにPeartは関わってないけど)。というワケで、まあ好みは人それぞれだが“One Little Victory”は新ミックスの方に、新しい愛の始まりを歌う“Earthshine”(この曲、死ぬほど好き)はオリジナルに軍配を上げたい。

私自身は、74年にデビューしてから「Permanent Waves」「Moving Pictures」までの、プログレ色が濃く、一般的に人気が高い(Wikipediaにこの頃までの記載しかないことからもそれは窺える)とされる初期の作品にはあまり興味がなくて(「Moving Pictures」は一時期物凄く聴きましたけど)、その後の「Signals」~「Hold Your Fire」でのスムーズなポップ性を極めた音楽性の方が好みだし、「Presto」「Roll The Bones」を経て、グランジに感化されてヘヴィになりつつもポジティヴな精神やメロディを堅持した90年代以降の音楽性がもっと好みだ。というワケでRushを知らない方には真っ先にこのコンピを聴いていただきたい。…のだが、ファン以外に買う人っているのか。

2009/04/23 Thu. 21:20  edit

Category: CD/DVDレビュー:R

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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