Queensrÿche(Queensryche)「American Soldier」(2009) 

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シアトル出身の(一応)プログレ・ハード・バンドの、スタジオ盤としては通算12作目。プロデューサーは「Operation:Mindcrime II」と同じくJason Slater(ただし今作では「with Kelly Gray」とある)。Geoff Tate(Vo)がヴェトナム、コソボ、ソマリア、イラクといった戦地に赴いた米軍の帰還兵と実際に会い、行ったインタビューを下敷きとして製作されたアルバムである。

そういった経緯もあってGeoff色が非常に濃く(ちなみに12曲中10曲がGeoff&Jason SlaterもしくはKelly Grayの共作)、全曲がスロー~ミッド・テンポで占められており、わかりやすい高揚感やエキサイトメントは期待すべくもない。そもそも歌詞の中身が、帰還兵が置かれている過酷な現状を彼らの言葉をそのまま用いて訴える、という極めて重たいものになっており「速い曲なんて書きようがねえだろ」といったところだろうか。一聴した限りではどうしようもなく地味な印象を受ける。

ただ、サウンド面においてはかつての緊張感や緻密さが戻ってきている印象で、かつて彼らのサウンドを特徴付けていたハーモニーやツイン・リードも随所で投入されている。メロディの質が「Q2K」以降の路線から大きく変わったわけではないが、随分と伸びやかさが感じられるようになっていて、ここ10年ほどの(流行に合わせた)キメの粗いカラーが彼らの持ち味をスポイルしまくってたことを改めて感じさせる。アルバムを印象付けるキラー・チューンこそないものの、“At 30,000 Feet”“The Killer”“If I Were King”など、聴かせる曲は多い。やはり彼らには重厚でドラマティックな音が似合う。

ということで、評価としては「思っていたよりずっといい」と言ったところ。個人的には好みの作風だし、少なくとも「Q2K」以降の作品では一番いい。「Rage For Order」「Promised Land」の両方を愛せるなら割合スッと馴染める、かも知れない。イヤホンやヘッドホンを装着しての鑑賞を推奨。

2009/04/19 Sun. 23:41  edit

Category: CD/DVDレビュー:Q

Thread: HR/HM - Janre: 音楽

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