KTU「Quiver」(2009) 

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第6期King Crimsonのリズム隊、Trey Gunn(Warr Guitar)+Pat Mastelotto(Dr,Noises)のユニットTU(トゥー)と、Samuli Kosminen(Accordion Samples,Voice Samples)+Kimmo Pohjonen(Accordion,Voice)からなるフィンランドのデュオ・ユニットKlusterが合体して結成されたKTUの2nd。2005年に発表された1st「8 Armed Monkey」はライヴ盤だったため、これが初のスタジオ・レコーディングによるアルバムとなる。

1stは大まかな構成を決めた上でのインプロヴィゼーション(即興演奏)だったそうだが、2ndでは作曲の比重が増しているとのこと。やはりリズム隊がCrimsonだからか、ダーク&ヘヴィかつ神秘性を感じさせる音はヌオヴォ・メタルCrimsonの影響を感じさせるが、その流れの中でアコーディオンがメインを張っているというのがとにかく奇妙、そしてカッコいい。

今回はアコーディオンの音をサンプリングしてMIDI再生した音とアコースティックのアコーディオンを混ぜて使用している(ライナーより)のだが、そのおかげか素朴さよりもシャープさが際立つサウンドになっており、先鋭的な音楽性に非常にマッチしている。時に激しくうねり、時に切れ味鋭いソロを弾き出すGunnのWarr Guitarとの相性も抜群。

ゆらめくような映像感覚を持つ小曲“Fragile Sun”~Crimsonの“Level Five”を彷彿させるヘヴィな“Kataklism”のオープニング、Pohjonenの不気味な声をフィーチュアした“Quiver”、Warr Guitarの軽やかなタッピングを軸とした“Jacaranda”、闇の中に吸い込まれてそのまま戻って来れなさそうな雰囲気の“Snow Reader”など、聴きどころ満載、充実の1枚。

このCDが届いた時にジャケットの色使いを見て直感的に「これは傑作だ」という、確信に近い期待を抱いたのだが、果たして1stの攻撃性にジャケットで使用されたターコイズのような奥行き、広がりが加えられた力作に仕上がった。2004年の初ライヴから2ndまでかなり時間がかかったのは各自が多忙なゆえだろうが、それでも2nd発表にこぎつけたのはライヴでメンバーにもかなりの手応えがあったからなのだろう。Kosminenが脱退している(一部、彼が作った音が加えられている)がマイナスの影響はなし。Mastelotto+Gunnの存在感という意味でも、このリズム隊が作り出した音楽としては最高傑作なのではないかと思う。


「Quiver」収録曲が見つからなかったので、1st「8 Armed Monkey」から“Absinthe”。Pohjonenの特異性がよくわかる映像。

2009/04/06 Mon. 00:23  edit

Category: CD/DVDレビュー:K

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

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