Devin Townsend Ocean Machine「Biomech」(1997)

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※「1997年~2006年の10枚+1」第4回→他のレビューはこちらから

Devin Townsendのクリエイティヴィティが最も充実していた1997年(この年にはStrapping Young Lad「City」も発表している)にリリースされたOcean Machine名義というか、自身の名を冠した最初のアルバム。

「Physicist」(2000年)までのゴチャゴチャとした音像はS.Y.L.名義もソロ名義も共通だが、アルバム/楽曲のテーマは直接的な「怒り」が表現の源だったS.Y.L.とは異なり、もう少し複雑な感情が織り込まれているようだ。S.Y.L.が剛ならOcean Machineは柔といった趣きで、ジャケットどおりの、海を思わせる広がりのあるアンビエント・メタルとでも形容できそうなサウンド。

Devin節とでも呼べそうなキャッチーなメロディはこのアルバムの時点で既に個性を確立しており、特に“Life”は名曲だと思う。これより後にリリースされるS.Y.L.「City」「Strapping Young Lad」以外のアルバムは、多かれ少なかれこのアルバムが持つアンビエント感を引き継いだ作りがなされていて、そういう意味では彼の「原点」と言えるかも知れない。

とは言え当時のDevinはまさに「怒れる若者」だったせいか、ソフトな中にも神経質というか、パラノイアックな感触が色濃く現れており、その辺で好き嫌いが分かれそうではある。私はそんなピリピリしたムードと大らかで穏やかな空気が微妙なバランスで混ざり合っている脆さ、危うさというものに強く魅かれ、同年リリースの「City」以上によく聴いた記憶がある。


Devin Townsend Ocean Machine“Life”

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