非思量

聖飢魔II「荒涼たる新世界/Planet/The Hell」「呪いのシャ・ナ・ナ・ナ/Goblin's Scale」/デーモン閣下「Demon As Bad Man -D.C.18 Edition-」(2016)

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まず「荒涼たる新世界/Planet/The Hell」。4月にリリースされた4曲入り(新曲2曲+それらのインストヴァージョン)シングル。

正直大して期待していなかったのだが、タイトル・トラックが哀愁をたたえつつ疾走するクラシカルかつ勇壮ななヘヴィ・メタルで面食らったのである。デーモン閣下のヴォーカルはともかく、演奏もどこかこう、自分がイメージする今の聖飢魔IIの雰囲気と異なる。これでもかと繰り出されるツイン・リードの後のソロからはジェイル及びルークの顔が浮かんでくるけど。

「何だこれ?」

クレジットを見てすべて納得がいった。作詞作曲ダミアン浜田。ここでまさかの創始者(ちなみに現在は高校教師)降臨。だったらこうなるしかない。こういうもの以外になりようがない。なる筈がない。ミッド・テンポの“Planet / The Hell”も含め歌詞についても抜かりなく、タイアップしたアニメの世界観を映し出しつつ聖飢魔IIらしさを失わない巧みなもの。曲調の割に乾いたギターの音が少し気になった(特にタイトル・トラック)が、それ以外に欠点が見当たらない。恐れ入谷の鬼子母神。

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で、「呪いのシャ・ナ・ナ・ナ/Goblin's Scale」は「荒涼たる~」の2ヶ月後にリリースされたシングル。新曲2曲に“呪いのシャ・ナ・ナ・ナ”の英語版、それらのカラオケ・ヴァージョン含め全6曲収録となっている。

ルーク作曲のタイトル・トラックは映画の主題歌となっており、ほのかにコミカルさの漂うミッド・テンポのシャッフル・ナンバー。ダブルA面扱いの2曲目“Goblin's Scale”はジェイル作曲。アメリカンな埃っぽさをまき散らす疾走ナンバー。

粘り気のあるサウンドが現在の聖飢魔IIの等身大の姿を映し出しているが、個人的な好みからすると、ヒリヒリした空気の「荒涼たる~」の後にこれを聴かされるとちょっと…。ホントは6月に「呪いの~」が出た時に2枚まとめてレビューするつもりだったのをここまで引っ張ってしまったのは「呪いの~」の出来栄えががちょっと厳しいなあ、と思ったからでして。

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オマケ、というワケでもないが、やっとこさ閣下のソロ2作目を入手したので触れておこう。

この2月に再発されるにあたり、シングルのカップリングで収録されていた“Fight For Your Right”(Beastie Boysのカヴァー)を追加の上、曲順を大幅に変更した「D.C.18 Edition」へと装いを新たにしている。

制作陣に井上陽水、尾崎亜美、筒美京平、高見沢俊彦ら豪華メンツを揃えており、メロディは割とキャッチーで親しみやすいものになっている曲が多いように感じるがアレンジには全く統一感がない。これをヴォーカルの力量ひとつで「デーモンのアルバム」として成立させている。

“カツ丼”なんてしょうもないタイトルの曲とか、バブルの残り香が漂う悪乗りテイストが妙に鼻につくので長らく敬遠していたが、まあ、これはこれで面白いものだと思った。聖飢魔IIのメンバーで演奏されたメロウな雰囲気のミッド・ナンバー“Refrain Of Love”は大好き。

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