Covet「Currents」(2016) 

currents.jpg

カリフォルニア州で活動する女性ギタリスト、Yvette Young(G)率いるトリオの1stEP。アートワークも彼女自身によるもの。

元々、YouTubeでオリジナルも含め動画をアップして注目を浴びていた人だそうで、ソロ演奏の動画を見ると、尋常ならざるフィンガー・ピッキング&タッピングを交えながら洗いざらしのワンピースを着た女性SSWが歌いそうなふわふわした感じの曲を歌っていたりするのだが、バンド編成のCovetも洗いざらしのワンピース感はないけど着地点はだいたい同じところを目指していると見え、ポスト・ロックを通過した、水面で反射してきらめく日光を思わせる柔らかいサウンドが、やはり尋常ならざるフィンガー・ピッキング&タッピング(しかも7弦ギター使用)を交えて繰り広げられている。

日本盤の包装フィルムに貼付されていた紹介文に曰く「マスロック界のタッピングマスター女子」。語呂悪いな…じゃなくて、マス・ロックと聞くとToolのようなKing Crimsonあたりを起源としたもっと不穏なヤツを連想してしまうんだが、どっかで定義が変わった?或いは元々そういうもんだったとか?まあいいや。ギターを弾くにあたって指を常任離れした速さでレロレロさせる時はどこか聴く人を驚かせてやろうという欲というか意図が働いているモンだと思っていたが、このアルバムで響くサウンドについて言えば、その正反対の方向を向いている。よくこういうの思いつくなあ。


Covet“Hydra”

2016/05/22 Sun. 00:11  edit

Category: CD/DVDレビュー:C

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

tb: 0  |  cm: 0

top △

Ukandanz「Awo」(2016) 

awo.jpg

ジャズやプログレのフィールドで活動していたフランス人ミュージシャン(G+Tenor Sax+Dr+Key)にエチオピア人歌手Asnake Guebreyesが加わって2010年に結成されたUkandanzの2nd。今作ではキーボード奏者が脱退し、代わってベーシストが加入して制作されている。

ラストに配された1曲を除き、1960~70年代に録音されたエチオピア楽曲のカヴァーだそうで、コブシのききまくった歌い回しはエチオピア音楽の個性のひとつらしいが、バックの演奏はと言えば、先鋭的なジャズ畑の人がロックを演奏した時の見本のような、装飾のない骨格むき出しなバッキバキのアンサンブル。

これとエスニックなグルーヴとの融合が驚きのシナジー効果を生み出しているのだが、新加入のBenoit Lecomteがこのゴツゴツしたサウンドの核になっており、随所でカクカクとキメまくりつつドラムが細かいフィルインを入れ、ラストは全員が一体となって疾走しだす“Tchuhetén Betsèmu”やつんのめるようなビートが気持ち良い“Endé Iyérusalem”のような、リズム隊がガッツリと前面に出てくる曲が聴いていて楽しい。

2013年に来日経験があるらしいが、ベーシスト加入後は来日していないようなので、再来日希望。この音はぜひライヴで体感したい。


Ukandanz“Tchuhetén Betsèmu”

2016/05/14 Sat. 21:54  edit

Category: CD/DVDレビュー:U

Thread: 洋楽CDレビュー - Janre: 音楽

tb: 0  |  cm: 2

top △