Emler Tchamitchian Echampard「Sad And Beautiful」(2014) 

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Andy Emler(Pf)、Claude Tchamitchian(B)、Eric Echampard(Dr)からなるフランス発ピアノ・トリオの3rd。

流麗なピアノが紡ぎ出すメロディに身を委ねたくなるアルバム…ではあるのだが、突如各楽器が縦横無尽に暴れまわるアンサンブルでその穏やかな空気を破壊しにかかるユニークさが特徴。緊張と緩和の対比というか、錯綜がなかなかに一筋縄ではいかない感じ。“A Journey Through Hope”や“Elegances”でその傾向が顕著で、ドラムが突然物凄い手数で暴れ出してあっけに取られる展開が。

Andy Emlerという名前、どこかで見たことがあるような…と思い部屋のCDラックを漁ってみたらAndy Emler Megaoctet名義の「West In Peace」という2007年発の作品が出てきた。Emlerを含めて9人の大所帯で、改めて聴きかえして見るとチェンバー・ロック風味が結構強い作品だったのだが、「Sad And Beautiful」もやはり、ジャズ・ロックというよりはシリアスなチェンバー・ロックのテイストが結構色濃く表れている。

美しいメロディと怒涛のアンサンブルでもってジャズ・ロックとチェンバー・ロックを行き来する作風はなかなかに私好み。トリオ編成ならではの緊張感というか、引き締まった空気が一貫して流れているのも良い。


Emler Tchamitchian Echampard“Last Chance”

2014/07/27 Sun. 22:05  edit

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Unheilig「Alles Hat Seine Zeit」(2014) 

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2000年にドイツで結成され、7th「Große Freiheit」(2010)がドイツ本国で140万枚を売り上げたモンスター・バンド、Unheiligのベスト盤。

Vo+Key+Gにライヴのみ参加のドラマーを加えた4名がメンバーだが、実質Der Graf(Vo)のワンマン・バンドと捉えて良さそう。何せ「あのグラフ氏」と名乗る(Derは男性名詞の前につける冠詞。英語で言うところの「The」。本名はBernd Heinrich Graf)このVo氏しかPVに出てこないのだ。オマケのDVDに収録されたPVを見ていると、ライヴ収録の1曲を除き、ほぼ全てが何がしかのストーリー仕立てになっており、その合間でスキンヘッドにヘンなあご髭をたくわえた異様な風貌のGrafが現れ、柔らかな笑みを浮かべながら艶のあるバリトンを響かせる構成。ブックレットもGraf以外のメンバーは一切写っていない。

アルバムは新曲も込みの前半から、徐々に初期作の収録曲に遡っていく構成。最初に聴いた“Als wär's das erste Mal”にどハマりしてこればっかり聴いていたが、もう少し明るくてポップな雰囲気の曲もある。というか、全体的に意外と軽いというか、聴きやすい。U2のような伸びやかさとインダストリアル調サウンドを一体にして、ストリングスなんかも入れて思いっきり大衆化したような(肝心のヴォーカルは例のバリトンなのだが)。これが初期の楽曲を収録した後半に進んでいくにしたがって徐々にRammsteinっぽくなっていく。

サビメロのキャッチーさも評価すべきポイントだとは思うが、聴いているだけでDer Grafが片方の眉を上げながら歌う姿が脳裏に浮かんで離れなくなる、このいわく言いがたい存在感。是非味わっていただきたい。これが140万枚売れるドイツマジドイツ。


Unheilig“Als wär's das erste Mal”

2014/07/17 Thu. 23:34  edit

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