Squarepusher x Z-Machines「Music For Robots」(2014) 

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イギリスのテクノ・ミュージシャン/ベーシスト、Squarepusherと3体のロボットからなる「ソーシャル・パーティー・ロボットバンド」(開発元のZIMAオフィシャルサイトより)、Z-Machinesのコラボ作品。

アルバム名の通り、この作品に収録された全5曲はロボットであるZ-Machinesによって演奏されている。Squarepusherは「78本の指を持つギタリストと22本のドラムを叩くドラマーの演奏させて作る音楽という未開の可能性に惹かれ」(国内盤オビより)参加、楽曲を提供している。キーボーディストもいるが、確かこちらは自動演奏。

オビにでっかく「人力演奏不能」とあるとおり、文字通り人外の技というものを随所に繰り出しつつ、「エモーショナルなマシーン・ミュージック」(これまた国内盤オビより)を追求している。やはり最初に製作された“Sad Robot Goes Funny”がこのコラボの性格を最もよく体現していると思うが、“Dissolver”の今沢カゲロウに通ずる「人がやってる感じがしない」(実際、人ではなくロボットが演奏しているのだが)アッパーな感じも面白い。

「ロボットによる音楽が感情に訴えるか」というのは、結局、聴き手の主観や好みで決まってしまう話なのだが「アンジェロ・ラッシュみたいな光速アホアホ・フレーズを織り込んだクラシカルなミニマル・チェンバー・ロック」という音楽性そのものは大いに楽しめた。


Squarepusher x Z-Machines“Sad Robot Goes Funny”

2014/04/28 Mon. 23:31  edit

Category: CD/DVDレビュー:S

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Felix Martin「The Scenic Album」(2013) 

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ヴェネズエラ出身、バークリー音楽院で学んだ経験を持つギタリスト、Felix Martinの2nd。

ジャケ写を見ればお分かりのとおり、彼が使用している楽器は14弦ギターなる珍妙なもの(16弦ギターを使用することもあるらしい)。「弦がいっぱいあるから音もめいっぱい詰め込みましょうね!」とばかりに、両手タッピングを主軸にした高速レロレロ大会を繰り広げている。

ベースにチャップマン・スティックも弾けるNathan Navarroを配し、極めつけにMarco Minnemann(Dr)を投入、凄腕ゲストを招いてまさにやりたい放題といった趣で、メタルもしくはフュージョン的なサウンドを軸にジャズ、ラテン、ワールドといった様々な要素をぶち込んで目も眩まんばかりのエキセントリシティを追求している。

もうここまで来ると何がなんだかの世界だが、レロレロしまくりつつコード弾きを差し挟んできたり、ラスト前の“Eleven Drums”ではポップでメロウな瞬間を垣間見せたりで、Martin自身のショウケース的な印象を抱かせつつ、曲自体も結構良い。インパクトのある作品。


Felix Martin“High Spirit”
バークリー在学時の演奏。

2014/04/19 Sat. 17:29  edit

Category: CD/DVDレビュー:F

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John Wesley「Disconnect」(2014) 

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Porcupine Tree(以下PT)のツアー・メンバーとして知られるギタリスト/ヴォーカリスト、John Wesleyのソロ・アルバム。

2006年のPT来日公演でWesleyのプレイを見ている。澄んだ声でのバッキング・ヴォーカル、泣きのギター・ソロ、首領のSteven Wilsonを食ってしまう一歩手前(食ってしまわないのがミソ)の、文字通り絶妙なサポートぶりに「この人は信頼できる」と思った。何となく。なのでソロ・アルバムを出すことを知ってろくすっぽ試聴もせず即予約。

ほのかにサイケデリック色も漂わせるモダン・プログレの70年代ロック的な部分を強化したというか、現代的なサウンドをフィーチュアしつつ自身のルーツを割と素直に発露させた印象。Alex Lifesonがギター・ソロを弾いている“Once A Warrior”がモロに70年代のRushを彷彿させたりしているが、トータルではPT「Deadwing」(2005)に近い作風(但しメタル要素はほぼ皆無)、のような気がする。ヘヴィ過ぎないサウンドとやや線の細いWesleyのヴォーカルが絶妙のマッチングを見せており、さてこの作品をどう表現したものかと少し思案したが「いぶし銀」、この言葉が一番似合う。渋い。見事、私の信頼に応えてくれたと言ってよい。

このアルバムについてのニュースで触れられているのを読むまですっかり失念していたが、WesleyはFishの7th「Felini Days」(2001)にギタリスト/ソングライターとして参加している。6th「Raingods With Zippos」(1999)が持っていたドラマティックな要素やダイナミックさが大幅に後退した楽曲群に当時はやや失望を覚えた(そしてFishの作品を追うのを止めた)のだが、今改めて聴き返すと「Wesleyが作曲に参画したらこうなるわな」と今更ながら納得した。丁寧に作りこまれたシンフォ調からアーシーなシアトリカル路線への変更は今考えても「変わり過ぎだろ」とは思うけど。


John Wesley“Disconnect”

2014/04/06 Sun. 22:35  edit

Category: CD/DVDレビュー:J

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