Exivious「Liminal」(2013) 

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Cynicの元メンバーを含むテクニカル・フュージョン・メタル4人組の2nd。1st「Exivious」(2009)をリリース翌年に購入した時点で確か公式サイトに「Exivious no longer exists.」と書かれていたので1stを「プロジェクト第1弾にしてラスト作」と書いたが、この度めでたく2ndがリリースされた。

音楽的には1stからあまり変わっていない。サウンドはモロにメタルだが、低音をゴリゴリさせて飢えた肉食獣よろしく襲い掛かってくるような荒々しさではなく、フュージョンのような軽やかさでアンサンブルと随所で炸裂するキメで埋め尽くされた曲をサラッと聴かせる作風。元々Cynic風味というのはそれほど感じられなかったが、今は亡き(と思いきやWikipediaに「In 2013, the band announced a reunion with a new album in the works. 」との記述が)Canvas Solarisからビザールな要素を取り除いた音、と表現したほうが近い。

あまりガッついた感じがなく、ジャズ・ロック度がやけに高いが変態度は案外低めというか。聴いた後の印象としては「優雅」という言葉が一番しっくりくる。4曲目の“Deeply Woven”はソプラノ・サックスのソロをフィーチュアしていて大変カッコいい。ソプラノ・サックスという、メタルとの親和性が高いとは思えない(Dream Theater“Another Day”でも登場するが、あれは曲調としてはAORだし)楽器と何の違和感もなく共存しているのが、Exiviousの音楽の特異性を表していると思う。


Exivious“Deeply Woven”

2013/11/28 Thu. 22:11  edit

Category: CD/DVDレビュー:E

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The Gathering「Afterwords」(2013) 

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ノルウェーの女性Vo、Silje Wergelandが加入してから3枚目となるオランダのThe Gathering新作。

今回はやや趣向を変えた作風で、前作「Disclosure」(2012)収録曲のアレンジ違いが1曲、リメイクが4曲、新曲3曲、Tony Mansfield“Areas”のカヴァーで全9曲、さらに新曲のうち唯一ヴォーカル入りの“Afterwords”は初代VoのBart Smitsが歌っているという、純然たる新作と言うよりは企画盤然とした佇まいを見せている。

…のだがこれがなかなかに気合が入った作りで、中期以降のサウンドの核となっているFrank Boeijen(Key)の趣味全開なのか、リメイク曲は原曲を大胆に解体、再構築されている。“I Can See Four Miles”のリメイク“Echoes Keep Growing”をCD購入前にYouTubeで聴いた時、それがリメイクだと気付かなかったぐらい。“Heroes For Ghosts”のリメイク“Bärenfels”に至ってはJacob Johannssenなる男性のスピーチをフィーチュアしていてほぼ別の曲といってもいい。

打ち込みのリズムやディープな表情を見せるサウンドスケープはダークウェーヴ的な神秘性を現出させていて、Bart Smits参加のタイトル・トラックはDead Can Danceみたい。Smits、The Gatheringの1stではデス声で歌っていたのにここではグロウルは封印、やたらと渋みのある声を聴かせている。“Gemini III”以外でのSiljeのヴォーカルが「楽曲の1パーツ」的扱いに留まっていることもあり、この曲がアルバムで最もインパクトがある。

Silje加入後の「The West Pole」(2009)及び「Disclosure」はいずれも充実した作品だったが、その2作のサウンドを深化させつつ異なる味わいを持たせており、バンドの作品という感じはあまりしないが、これはこれでかなり良い。


The Gathering“Echoes Keep Growing”

2013/11/17 Sun. 10:53  edit

Category: CD/DVDレビュー:G

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Anneke Van Giersbergen「Drive」(2013) 

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Anneke Van GiersbergenのThe Gathering脱退後5枚目となるソロ2nd。いきなり余談から始まるが、AnnekeてThe Gatheringの2代目Voだと思ってたけど3代目だったんだな。初代がデス声だったのは知っていたが、2代目に別の男性Voがいたということをついこないだ知った。「Almost A Dance」というアルバム1枚で脱退してるんだが、YouTubeで聴いたら「Mandylion」みたいな雰囲気バリバリの演奏を従えてStephen Pearcyみたいな爬虫類声が歌っていてなかなかにインパクトがあった。そら1枚で脱退するわな、という。

余談はこのくらいにして、前作「Everything Is Changing」(2012)がオランダの音楽賞でベスト・アルバムにノミネートされたそうで、それを受けてのことだと思うがこの新作はメインストリームど真ん中をを突き進むロック・アルバムという表現がピッタリくる仕上がりになっている。

パワフルなヴォーカルをフィーチュアしたハード・ロックという前作の作風を引き継いではいるが、アップ・テンポで比較的明るい雰囲気の曲が作品の大勢を占め、ピアノのイントロから静かに始まるバラード“My Mother Said”も含め、全体的にサラッと流れていく感触。全10曲で38分弱というコンパクトな作りもこの印象を後押しする。ややエスノなムードを持つ男性シンガーとのデュエットも収録されているが、作品の流れや雰囲気を変えるようなものではない。

多様なサウンドに彩られていた前作の充実振りを思うとやや薄味な気がするのは否めないのだが、楽曲そのものは充実しており、オープニングの“We Live On”やラスト前の“Shooting For The Stars”はとても良い曲だと思う。彼女のメロディ・センスは健在。


Anneke Van Giersbergen“My Mother Said”

2013/11/01 Fri. 22:38  edit

Category: CD/DVDレビュー:A

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