Queensrÿche(Queensryche)「Queensrÿche」(2013) 

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Scott Rockenfield(Ds)、Michael Wilton(G)、Eddie Jackson(B)、Parker Lundgren(G)がCrimson GloryのTodd La Torre(Vo)を招いて結成されたRising Westが、Geoff Tateのバンド追放を経てQueensryche(以下QR)に名前を変えて製作されたアルバムである。以前のエントリで「どうせ初期の音楽性に戻るだろうから聴かない」と書いたが、まあ、やはり気になるので。

とは言え、正直、あまり期待していなかった。シングルの“Fallout”を聴いて「Operation:Mindcrime 2」(2006)収録の“I'm American”レヴェルの曲だよなあ…ぐらいの感想しか持てなかったので。しかし、購入して全体を通して聴いてみると案外悪くなかった。“Redemption”や“Vindication”、“Don't Look Back”あたりは結構カラッとしたメロディを聴かせており、「The Warning」(1984)や「Rage For Order」(1986)を思わせる冒頭の“X2”~“Where Dreams Go To Die”~“Spore”の流れよりも、個人的にはこっちの路線の方が好きかも。Todd La Torreのヴォーカル、全盛期のGeoff Tateと比較するとさすがに厳しいが健闘している。

全体的にはここ数年の彼らが採ってきた路線から、実はそう大きくは逸脱していないと思う。ただ、作品の色合いとして近いのは前述の「Operation:Mindcrime 2」及び「American Soldier」(2009)あたりのメタル色が強い作品で、かつてのファンを振り向かせるに十分な出来ではあろう。あとは新規のファンを掴めるだけの強力な楽曲(良いメロディも多いがもう一息)と潤沢なレコーディング資金(正直、音はやや薄っぺらい)。これらが揃えば未来は明るいのではないか。少なくとも「QRに求められている音」を理解し、実行しているのはコチラ側だろう。


Queensryche“Fallout”

2013/08/27 Tue. 22:14  edit

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Queensrÿche(Queensryche)「Frequency Unkown」(2013) 

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昨年6月から分裂状態のQueensryche。今回紹介するのは、バンドから放逐されたGeoff Tate率いる方のQueensryche(以下GT版)から4月にリリースされた新作である。国内盤発売の予定は今のところなし。

現在、GT版の公式サイトでクレジットされているメンバーはKelly Gray(G)、Robert Sarzo(G)、Rudy Sarzo(B)、Simon Wright(Dr)、Randy Gane(Key)だが、奇妙なことにどのメンバーも本編の10曲中、数曲ずつしか参加していない。ギタリスト2名に至ってはソロで1曲の参加に留まっている。じゃあギターは誰が、というとリズム・ギターはForbiddenのCraig Locicero(G)が全曲でプレイ。全曲に参加しているの、Geoff以外だとこの人だけ。曲ごとに様々な人材が入れ替わり立ち代わりして録音されているが、私が名前を見てわかるのはギター・ソロのK.K. DowningやBrad Gillis、Dave MenikettiにTy TaborとChris Poland、ドラムのPaul Bostaphあたりか。プロデューサーはJason Slater。

イントロでインチキR&Bシンガーみたいな「いえぇぇぇえいはぁあん~~」というクソを聞かせる3曲目の“Give It To You”でSTOPボタンに手が伸びそうになるが、「American Soldier」(2009)に通じる叙情性を持つ“In The Hands Of God”“Life Without You”“Everything”は悪くないと思う。モダンなアメリカン・ハード・ロックという枠組みの中で、「Q2K」(1999)以降の各アルバムの要素を抽出して曲ごとに配合を変えつつ仕上げている感じで、これまでと違うと言えば違うし、代わり映えしないといえば代わり映えしない。前進していると言えなくもないし、すっかり停滞しているとも言える。

明らかに後退しているのはプロダクション。聴いていて気持ちの良い音ではない。Jason Slaterが関わるようになってからこの方、心から満足できる音質のアルバムが出たためしがないが、「Empire」(1990)を作り上げたバンドとは思えないレヴェルにまで落ちている。あと、過去の代表曲のリメイクが4曲収録されているがこれが悲惨の一言。全般的にGeoffのヴォーカルが筒一杯な感じで、特に“Silent Lucidity”では音程ヨレまくり。なぜこのテイクを採用しようと思ったのか。あんまりなデザインのジャケットと合わせて、作品のグレードを思いっきり下げてしまっている。Geoffのヴォーカル、現在のレンジに合わせた新曲を歌っている限りにおいては相変わらず良いけどねえ…。


Queensryche“Cold”

2013/08/15 Thu. 22:44  edit

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