MRF「Val'siruyushia Vo T'me」(2012) 

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昨年紹介したウクライナ産のフィーメイル・ポップ(?)・ユニット、Fleur(Flёur)の、2人いる女性Voのうちコケティッシュな声の方、Elena Voynarovskayaを中心とした2枚組のプロジェクト・アルバム。ウクライナ語表記(多分)だとМРФ「Вальсирующие во тьме」。

ピアノやシンセ、各種管弦楽器をフィーチュアして繰り出される各楽曲は時にクラシカル、時にシンフォニックだったりするのだが、月明かりの夜に朽ち果てた洋館で行われている音楽会(バンド及び観客は全員幽霊)にうっかり紛れ込んでしまったような、うっすらと寒々しさが漂う、乾いた世界が繰り広げられている。3拍子のリズムをメインに据えた曲も多く、なるほど日本語に訳すと「暗闇のワルツ」といった感じになるタイトル(なおGoogle翻訳だと「ダークでワルツ」と出る)にふさわしい内容。

Elenaの舌っ足らずな歌声は可愛らしい感じなのだが、それがさらに薄ら寒い雰囲気を増幅させている。かと思えば合間に挟まれているインスト系もたいがいで、Univers Zeroもかくやというようなダーク・チェンバー系ジャズ・ロックが炸裂しているかと思えばスペイシーなシンセ・サウンドを大フィーチュアしたサイケ色満載の曲まであって、もうどこを切っても怪しさ大爆発。2枚組な上に盛り沢山すぎて聴き通すとグッタリしてしまうな。これはしばらく寝かせておいて、秋の夜長に今一度味わってみたいアルバムである。暗い音楽愛好家に大推薦の力作。


МРФ“Мои новые чёрные крылья”

2013/04/22 Mon. 00:47  edit

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Trioscapes「Separate Realities」(2012) 

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Between The Buried And Meのベーシスト、Dan DreggsがSax,Flu+Dr,Perを従えたトリオ編成で製作したTrioscapesのデビュー作。

まずDan DreggsのベースがGeddy Leeをさらに邪悪にしたようなサウンドを奏でる場面があって大変良い。ベースだけ聴くとメタリックな感じだが、編成から想像できるように音楽性としてはジャズ・ロックの範疇に入る。但し、複雑なフレーズによるキメをこれでもかとねじ込んでくるアヴァンギャルド/変態系。変拍子も盛り沢山。サックスは勢いのあるリズム隊に合わせてか、ブロウを効かせたハイパーな下世話系。

本隊のBetween The Buried And Meは聴いたことがない、いや、正確にはYouTubeでチラッと聴いてみたことはあるのだが全く印象に残っていないので、改めてYouTubeで聴いてみた。予想通りというか何と言うか、変拍子とキメを多用しまくる、所謂プログレ・メタル系の音だった。なのでTrioscapesは「ギターの音がないとヤダ!」「インストなんて嫌いだ!」という人でもない限り、Between The Buried And Meのファンでもスンナリ馴染めそうな音である、と言っていいだろう。ドラムも「メタルもいけまっせ!」な雰囲気を漂わせてるし。

そういう風に考えると逆に意外性がなくて面白くない気もするが、ただ暴れまわるばかりではなく、Jonas Hellborg「Art Metal」(2007)やTrey Gunnのソロに通ずるエスニックなテイストを上手く溶け込ませてある。あと、極端なアンサンブル指向ではなく、ソロも結構フィーチュアされていて、硬軟のバランスが上手く取られた良作であると言える。


Trioscapes“Blast Off”

2013/04/05 Fri. 21:47  edit

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