非思量

Die Mannequin「Fino + Bleed」(2009)

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90年代のグランジ/オルタナティヴ・ロックの影響を受けたという女性Vo兼GのCare Failure率いるカナダ産トリオの2ndフル。これまで2枚のEPと、EPをカップリング+未発表曲を加えたアルバムを1枚出しているらしい。ドラマーには元RHCP、Pearl JamのJack Ironsが参加している(ツアー後に脱退)。このアルバムはカナダでは1年前に発表されたものだが、日本盤はついこないだリリースされたばかり。CDショップに行ったら店内でかかっていて気になったので購入。

女性差別や家庭内暴力と言った社会問題を歌詞の題材に選んでいるが、ところどころに挟まれた淀んだムードのインタールードを除けば、グランジを通過したヘヴィでキメの粗いギター・サウンドを核としたパンキッシュなハード・ロックで、むしろノリの良さで押し通すタイプの音楽。パワフルな中にコケティッシュな面やほのかな切なさ、脆さを漂わせるキャッチーなメロディが満載で、飽きさせずに一気に聴かせるパワーを持っている。Careと外部ライターの共作が多い(ちなみに、一部の楽曲で元Harem ScaremのHarry HessとPete Lesperanceが作曲に参加している)がCare1人で作った曲も悪くない。セックス、ドラッグ、ロックンロールを体現したような出で立ちのCareの歌もなかなか魅力的。音楽性も相俟って基本的には押しの一手だが、その中での声色の使い分けが上手い、という印象。

Slayerを手がけたこともあるプロデューサーのMatt HydeやJack Ironsのようなヴェテランのヘルプが奏功したか、ラウドかつタイトなサウンドは抜群のまとまりを見せ、それでいて若手らしい活きの良さとのバランスが絶妙。楽曲のクオリティも含め、既に完成の域に達している。個人的には普段あまり聴かないタイプの音楽だが、CDショップで専用コーナーも設けられて結構プッシュされていたのも納得できる出来の良さ。もっと評判になってもいいと思う。


Die Mannequin"Dead Honey"

新日本プロレス G1 CLIMAX XX ~20th Years Anniversary~@大阪府立体育館(2010.8.7)

今回のエントリは音楽の話は1文字も出てきません!

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どうせヒマなので大阪大会当日券狙いで行ってみよう。大阪は遠いが…。
(Twitter/takechico1975)
カモン大阪府立!
(Twitter/njpw1972)

というツイッターでのやり取りを経て徳島から海を越えて行ってまいりました生観戦は10何年ぶりだか思い出すのも大変なぐらい久しぶりな新日本プロレス!しかもG1クライマックス!当日券での観戦だったが入場ゲートを正面に見られる北側2階席の最前列、結構いい席を取れた。チケットを取りウインズ難波へ移動→フルボッコにされた後の観戦でした。以下、観戦インプレッション等を箇条書きスタイルで。
  • 第1試合は中西、TAJIRI対飯塚、内藤。
  • 飯塚は入退場時に客席を荒らしまわり、蹴りに噛み付き、チョークだけで試合を組み立てる。完全にT.J.シンのスタイル。いつぞやにテレビでAKIRAとのシングルを観たときはAKIRAにおちょくられまくってて正直見ていられなかったのだが、現在はこのスタイルがすっかり板についてきた模様。最後にアイアンフィンガー・フロム・ヘルを繰り出し反則負け→TAJIRIの毒霧を浴びる見事な仕事っぷり。
  • 内藤の動きが非常にシャープで見応えがあった。ま、飯塚のパートナーというあまり美味しくない立場なのでもっぱら中西にボコられる役回りでしたが。
  • 中西の体は日本人離れしておる。なんだあの体の厚みは。内藤のフライングフォーアーム(?)を肩で受け止めて水車落としで投げ落としたときは正直、内藤が可哀想だと思った。凄い勢いで飛びかかったのにアッサリ捕まってて。
  • 第2試合はG1公式戦、プリンス・デヴィット対カール・アンダーソン。ここからメインまで全部G1公式戦。
  • この試合がこの日のベスト。特にデヴィちゃんは鉄柵の上でのドロップキック→フェンス越えプランチャと大張り切り。あれでもうチケット代の元は取れた。最後も必殺技ブラディサンデー(最近の技て、名前だけだとどんな技かサッパリわかりませんねえ)でヘビー級から完全ピン。凄い凄い。名古屋では2階からプランチャやったのか。「オレが全部持っていく!」と言わんばかりの貪欲さが素晴らしい。
  • これから行こうかどうか悩んでいる人はデヴィちゃんを観るためだけに行く価値はある、と言っておこう。
  • 第3試合はジャイアント・バーナード対、試合開始前のGI出場者紹介ビデオで唯一笑いを取っていた我らが永田さん。ちなみにそのビデオはコレ。3分過ぎに永田さん登場。ハッキリ言ってこれはズルい。1人勝ち。自分のキャラというか、パブリックイメージをキッチリ弁えてるよなあ。そして煽りVでもさん付け。
  • なんとなく永田が腕固めで獲りそうな展開だったが最後はバーナードライバーでピンフォール負け。バーナードはでかかった。
  • 第4試合はNOAHの潮崎対井上。
  • 井上はホント、見ていてもどかしいな。入場曲はカッコいいのに。ハイテンションキャラで行くんなら試合中もそれで押し通さないと。動きを止めちゃダメ。
  • 潮崎は…うーん。良かったけど、チョップやラリアットの説得力で売るのならもうちょっと腕の太さや体の厚みが欲しいですかね。どっちかつーと試合より通路に陣取るノアのファンの方が気になってた。試合はゴークラッシャーで潮崎の勝ち。この試合の後休憩。
  • 第5試合は小島対高橋。
  • 試合前の煽りVでの歓声が一番大きかったのが小島。納得と言えば納得だが意外と言えば意外。
  • 高橋を見るたびにくりいむしちゅーの頭がワサワサしてない方の人が頭に浮かんできてしょうがない。似てますよね?
  • 試合はラリアット一発で小島がピン。
  • 第6試合は棚橋対ストロングマン。棚橋入場後に仮面ライダーWが映画のプロモーション棚橋の応援に登場。
  • 序盤5分がストロングマンの怪力ショー→その後棚橋が一気にスパートをかけてアッサリ勝利。多分、ストロングマンはどこの会場でもこういう試合ばかりなんだろうなあ。これはこれで貴重なキャラではあるんだが。がんばれ。
  • セミはスーパースター真壁対矢野。
  • 正直な話し、私がここ数年見向きもしなかったプロレスに再び目を向けるキッカケになったのが真壁の面白さと熱さのバランスが絶妙なコメントの数々だったので期待していたのだが、試合は矢野の丸め込みに敗北。
  • メインは中邑対後藤。中邑って結構タッパありますね。
  • テレビでこの2人の試合を何回か観た限り、中邑、後藤の両名にはあまりいい印象はなかったのだが、この2人は手が合うのだろうか、前半のややU系っぽい動きやグラウンドを経て、中邑のヒザを軸とした激しい展開へ移る流れが実に自然で(中邑の腕ひしぎに「唐突すぎる」と言ってる人もいたが)、開始直後から立ち技系の大技を連発する流れが嫌いな私にはなかなかたまらん展開。
  • 最後は中邑の蹴りを受け止めた後藤が中邑の足をロックしてぐるぐる回って最後は足を極めたままエビ固めでピン。勝負が決した瞬間の会場の盛り上がりはかなりのものだった。私も興奮した。
  • 後半がややアッサリした試合が続いて「これ、ホンマに第2試合のデヴィットに全部持っていかれるぞ…」と思っていたがこの2人がメインにふさわしい試合でキッチリ締めてくれた。

前述の真壁もそうなんだが、ツイッター等、ネットを通じたスタッフの頑張りというのが今の新日は素晴らしい。今回の観戦、当日の朝になって行くことを決めた。6月の大阪を観に行かなくて少し後悔していたことや、ツイッターのガオ(=njpw1972は新日が運営するツイッターのアカウント)が面白すぎる&凄く頑張っているのが伝わってきていたというのもあるんだが、最後の決め手になったのは前日の試合ダイジェストをその日の晩にYouTubeにアップしていたことである。なんか、ここまでやってくれるんだったら銭落としてやらないかんよな、と。

まあその割には2階席だったしパンフ等のグッズも買わなかったんですけど。先月、クルマを電柱にこすってン万円飛んで行ったんで金欠なんすわー。パンフは結構迷ったんだが…。面白かったので次行く機会があったら何かグッズも買います。

聖飢魔II「悪魔Relativity」(2010)

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限定盤と通常盤のみならず集大成盤まで購入された信者の皆様、ご苦労様です!

というワケで再集結第1弾「悪魔Nativity」と、同時に録音されていたが選曲から漏れた7曲+新曲1曲をカップリングさせたコンピレーション「A Quater Century Of Rebellion"世界的極悪集大成盤"」と、「悪魔Nativity」から漏れた7曲+新曲4曲で構成された「悪魔Relativity」のDVD付限定盤及びCD1枚組の通常盤、合わせて3タイトルが同時リリース、むしりとれるだけむしりとる「エイベックス商法」炸裂である。ホント、全部買った人には「ご苦労様」の言葉しかない。

ま、ジャケットが各構成員ソロで写った全5ヴァージョンみたいな「AKB48商法」までは行かなかったので、このご時勢、まだ良心的な方だろう。3枚で済んで良かったね。私は「A Quater~」はパス(さすがに"蝋人形の館"前説ヴァージョン違いだけのために買えない)、「悪魔Relativity」通常盤のみ購入。元々、このテの商法に付き合う気はないし、その余裕もないので…。

さて内容について。「悪魔Relativity」も「悪魔Nativity」同様、過去曲を英詞で再録音+新曲という構成。曲目は以下の通り。
  1. Go Ahead!
  2. Overture~Winner!
  3. Stainless Night
  4. 1999 Secret Object
  5. Jack The Ripper
  6. Revolution Has Come
  7. Overture~Bad Again "Time To Be The Man Of The Wild"
  8. 俺様はアナニマス(新曲)
  9. Babies In Their Dreams(新曲)
  10. Let Me Be Your Friend(新曲)
  11. Desterted Hero(新曲)
再録曲については「悪魔Nativity」の"Prince Of Jigoku""A Demon's Night"のようなアッと驚くようなアレンジ等の変更はなし。ガッチリと構築されたヘヴィ・メタル然としたサウンドも従前の流れを汲むもので、良くも悪くも予想を裏切る要素はほとんどない。エース清水がソロを弾いていた部分は今回ジェイルが弾いているが、そこがツアーまでにどれくらい練りこまれているか期待したいところ。

そうそう、ツアーと言えば今回初めて聖飢魔II大黒ミサのチケットが取れたのだ。9/30大阪の、すんごい後ろの方のすんごい端っこの席だが、うれしいなあ。何せ当方大黒ミサは未経験、チケットを取れるチャンスなら何度かあるにはあったのだが、解散前の47都道府県ツアーの時は、私が住んでる町に来ると知った時に既にソールド・アウト、5年前の再集結の時は一般発売の日に仕事が入って、夕方に戻ってきて急いでパソコンからイープラスにアクセスしたら既に売り切れていた、という悲しい思い出しかないのだ。既に生大橋は閣下のツアーで、生ライデン+ゼノンは邦楽維新で体験済みなので、今回の主目的は生ルークの鑑賞である。うれしいなあ。しかし休み取れるかなあ。

最後に新曲についても触れておこう。ルーズさの中に不思議とピリピリした感触を内包した今のジェイルらしさ満開の"俺様はアナニマス"(クレジットは「匿名希望」になっているが、少なくとも作曲にジェイルが関わっているのは間違いない)、「好色萬声男」収録の"地上絵"風味の、閣下らしいハード・ポップ"Babies In Their Dreams"、意外とアンコールとかでこれやったら盛り上がりそうじゃない?なジェイルと閣下共作の"Let Me Be Your Friend"、"Masqurade"から聖飢魔II色を抜いたようなルーク作"Deserted Hero"の4曲。最早彼らがメロディック・ハードを基本とする「聖飢魔IIモード」に戻るのは相当難しいのだろうなあ、と思わされるが、それを踏まえた上で聴けばそんなに悪くない。"Deserted Hero"とか、結構好き。

今のこのノリで新曲だけの聖飢魔IIのアルバムを出したら「Ponk!!」も真っ青な問題作になりそうで、それはそれで怖いもの見たさで聴いてみたい気も。

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