非思量

2009年の5枚等。

いつものアレです。2009年に購入(2009年中に注文して今年に入ってから届いた物件も含む)したCD/DVDから良いと思ったものを5枚選んでみた。掲載はアルファベット順で、5枚の中で順位付けはしていない。

1.Diablo Swing Orchestra「Sing Along Songs For The Damned & Delirious」
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レビュー
色物的インパクトと複数回の鑑賞に耐え得るクオリティを両立させた稀有なアルバム。彼らこそメタルの未来だ(えー)!

2.Doimoi「Dialectics And Apocalypse」
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レビュー
オルタナティヴ歌モノメタル、とでも言えばいいのだろうか。メンバーの見た目と音のギャップが結構鮮烈だった。

3.The Gathering「The West Pole」
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レビュー
脱退したAnneke姐さんの新作がThe Gathering色を完全に払拭していて、いよいよ進む道が分かれてきたな、という感じ。

4.Mute Math「Armistice」
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レビュー
敢えて順位をつけるならコレが1位になるかなあ。

5.Queensryche「American Soldier」
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レビュー
だって好きなんだもん!で済ませてもいいのだが、久々に脳内でバイアスをかけずとも「これはいい」と思えた。

2009年はヘンな音楽を探す旅に飽きてCD/DVDを53枚(ここ数年の6~7割)しか買っていないので上期下期に分けるのを止めたのだがこんな時に限って5枚に絞るのが大変難しくなるという。なので今回は5枚以外にも数枚ピックアップしてダラダラと書き散らしてみた。

・Creed「Full Circle」
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レビュー
・Daughtry「Leave This Town」
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レビュー
・Nickelback「Dark Horse」
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今時のアメリカン・ハード・ロック3連発。本当はCreedを5枚の中に入れるつもりだったが、Diablo Swing Orchestraが来たのでランクから外れた。Nickelbackは2008年の作品だが、購入したのは昨年の正月。Creedとリリース順番が逆だったらNickelbackをランクインさせようか迷っていただろう。この3枚で順位をつけるとしたらCreed≒Nickelback>Daughtryかな。Daughtryもかなりいいがやはり私にとってはメタル成分が足りぬ。

Nickelbackのライヴ、観に行きたかったなあ。

・Kings Of Leon「Only By The Night」
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これも2008年リリース作品。けいさんのブログで2008年のベストに選出されていて興味を持ったので聴いてみた。Nickelback同様レビューは書いていないが個人的にはキリッと引き締まった楽曲や音が結構お気に入り。ベースが気の効いたフレーズを弾き出し、それをしっかり支えるドラムがあれば私の中ではそれだけで評価が上がります。

他にも惜しくも選から漏れた作品はあるがこの辺で。

Diablo Swing Orchestra「Sing Along Songs For The Damned & Delirious」(2009)

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男女ツイン・ヴォーカルにツイン・ギターを擁するスウェーデン産6人組の2nd(1stは未聴)。

男女のツイン・ヴォーカルは今時かなりありがちであるが、このバンドが他と違うのは、女性Voがモロにオペラティックなソプラノ声で歌うこと、あと男(ギター兼任)の方がポジション的に米米CLUBのジェームス小野田なこと。この時点でメタル・バンドとして(いや、そうでなくても)相当異様だがさらにこのバンドにはチェロ奏者がいる。普通、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムときたら次はキーボードじゃないの?

もうコイツらが何を考えているのかまるでわからんが音楽の方もたいがいで、管楽器をフィーチュアしたビッグ・バンド・ジャズの横ノリビートに直線的なドラムが無理矢理まとわりつき、その上をソプラノとドスを効かせた男性ヴォーカルがかけあいを見せるオープナー“A Tapdancer's Dilemma”で全身の毛穴が開きそうになる。その後もラテンにクラシック、ポルカから酒場の酔客によるうめきのような乾杯ソングまで、メタルと組み合わせようとか、普通思わないよね?という音のオンパレード。「メタルっぽい何かを演る」という最低限の約束事だけ決めて、後はひたすらニッチなほうニッチなほうへと向かう。中盤に配置されたアレンジ的には割りと普通というかポップな“New World's Widows”で少しホッとしている自分がいる…がこれもサビから物凄いソプラノ絶叫でやはり悶絶せずにはおれん。

どこからどう見ても色物だが、メロディはキャッチーだし、何より酒場のステージで繰り広げられる乱痴気騒ぎに巻き込まれたかのような猥雑さがタマラン。突き詰めれば突き詰めるほどいびつになる彼らのアホさ加減が愛おしくてたまらない。こないだやった企画、これが届くまで待つべきだったなあ。彼らには「2009年力業・オブ・ザ・イヤー」を捧げよう。あらゆる意味において中身は非常に濃い。最強。コレは一度聴いておいて損はない。


Diablo Swing Orchestra“Bedlam Sticks”

Aranis「Songs From Mirage」(2009)

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既にエントリが1つ上がっていますが明けましておめでとうございます。新年一発目の新作レビューはやや暗黒系のチェンバー・ロック。縁起悪い!

というワケで今回紹介するAranisはヴァイオリン×2+アコーディオン+ピアノ+ウッド・ベース+ギター+フルートに女性コーラス3名を加えたベルギー産アコースティック・チェンバー・グループ。3作目とのことだがこのグループの作品を聴くのは初めて。全ての曲をベース奏者が書いている。

インストのみの曲もあるがダークな旋律の女性多重コーラスが作品の主役で、インスト隊はフガフガと弾きまくるのではなく、コーラスを引き立て、またあるいはコーラスに寄り添うような形で荘重な世界を演出している。どことなく宗教的な香りも漂わせており、コーラスが英語を使用していない(何語かはわかりません)ことも神秘性を高める一因となっているかも。

51分14曲をフルに使って作品としての起伏を考えて製作された印象で、抑制された前半から約10分に及ぶ終曲(タイトルもズバリ“Finale”)へ向かって作品全体を覆う緊張感がさらに強くなっていく中、その“Finale”でパッと視界が開けるような展開を見せるところなど、よく考えられている。蜃気楼からの音楽というタイトルとは裏腹に非常に輪郭のハッキリした音楽。


Aranis“Chamber Rock”
そんなベタな曲名つけなくても…と言いたくなるインスト・ナンバー。コーラスがないこともあり、暗黒風味は若干抑え目なタイトルまんまの曲。ちなみにヘッドがチラチラとしか映っていないが、ステージ向かって左端にギタリストがいます。

松の内だろうが何だろうが聴く音楽はいつもと同じ、ということで今年もごくごく限られた数人の好みに、針の穴を通すが如く突き刺さるニッチな音楽(全部が全部そうでもないですけど)のレビューを届けるべくあまり頑張らずにやりますのでよろしくお願いします。

インパクト重視で選ぶ'00年代の30枚(序文)

企画モノ始めます。テーマはタイトルそのまんま。

勿論、「インパクト」というのは「私が受けたそれ」であって、インパクトを与えた対象が世間一般であったり自分以外の誰かであったりすることはありません。ありえません。NME誌が選ぶこの10年間のベスト50の中に知ってるアーティストがRadioheadしかいない(しかもかなり苦手)私が偉そうにシーンを俯瞰して語ることなぞできません。あ、でもクロスビートの同じような企画では3組ぐらい知ってる人がいた気がします。立ち読みなのでうろ覚えですが。

まあ金を貰ってやってるワケではないので別にいいっしょ。The StrokesもThe White Stripesも知らないオタクが自己満足全開でダラダラやるよ!

2000-2001年編(2010/01/03)
2002-2003年編(2009/12/30)
2004-2005年編(2009/12/27)
2006-2009年編(2009/12/24)

(2010/01/03追記)2002年以降のエントリにチョコッとだけ修正や追記アリ。

インパクト重視で選ぶ'00年代の30枚(2000-2001年編)

あの時僕は若かった~。

[2000年]
・Chroma Key「You Go Now」
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Kevin Mooreの最高傑作はこれだ!と断言してみる。Fates Warningの人と一緒にやってるOSIよりも、徹底的に鬱々と“Forget what you don't know yet”なんて歌詞のひねくれオルタナ・ポップスを歌うChroma Keyの方が断然いい。どこを切ってもかつて在籍していたDream Theaterの香りが全くしないところがまたいい。

・Godspeed You! Black Emperor「Lift Yr. Skinny Fists Like Antennas To Heaven!」
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メンバー全員、今も健在なのだろうか。どことなく繊細というか、神経の脆そうなところが音ににじみ出ている印象があって「メンバーの何人かは数年のうちに自殺してそう」と思っていたもので(縁起でもないな)。

・King Crimson「The ConstruKction Of Light」
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Fripp翁が珍しく「オレ、ギター上手くね?」と言わんばかりに傍若無人に弾きまくっている。自分達の持ちネタをキッチリ2000年仕様にアップデートさせた第6期(だったっけ?)Crimsonの決定盤。近年のアーカイヴ濫発にはついていけなくて完全に放置状態だが、もう新作は出ませんかね。

・Peter Gabriel「Ovo」
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ほとんどピーガブが歌っていない上にオープニングがラップという衝撃作。企画盤らしいんだが世界中のあらゆる音楽を寄せ集めてゴッタ煮にしたような凄い作品。個人的にはElizabeth Frazerのヴォーカルが大好き。この人の声はいい。

[2001年]
・Art Zoyd「Ubique」→レビュー
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↑は2005年改訂版のジャケット。

・Garmarna「Hildegard Von Bingen」
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トラッド・ミュージックとエレクトロニクスを融合させた所謂ラディカル・トラッドを演奏するグループの通算5枚目。中世の女性作曲家Hildegard(詳しくはwikiを参照)のカヴァーで、私の意識が辺境(具体的に言えば英国以外のヨーロッパ)へと向けられるキッカケとなった1枚。


Garmarna“Viridissima Virga”

最近、全くと言っていいほど聴いていない音源ばかりなので、聴き返してみると懐かしさとともに「この頃は今まで生きてきて一番しんどかった(大学を出て就職先も決まらずフラフラしていた)なー」とか「この2年間でネットを通じて遠いところの友達が増えたけど地元じゃ全然友達いないなー」とか、どうでもいいようなよくないような感情も湧き上がって来たり。

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