Nguyên Lê & Ngô Hồng Quang「Hà Nội Duo」(2017) 

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ヴェトナム系フランス人ギタリスト、Nguyên Lê(Nguyen Le:グエン・レ)が、ヴェトナム人歌手/弦楽器奏者のNgô Hồng Quang(Ngo Hong Quang)との双頭体制で制作したアルバム。

Qaungが使う各種民族楽器のみならず、曲によってインドのタブラ及びカンジーラ、日本の琴といったアジアの楽器がフィーチュアされており、例えばみやざきみえこの琴をフィーチュアした“A Night With You, Gone”では闇夜にライトアップされた紅葉が浮かんでくる(“A Night With You, Gone”はオリジナル曲ではなくヴェトナムの民謡のようですが)ように、多国籍といえばいいのか無国籍といえばいいのかよくわからんが、いずれにせよアジアン・テイストをこれでもかと匂わせる作風。

なんかもうね、曲も演奏もいいんですわ。“Heaven's Gourd”“Beggar's Love Song”でギターとヴェトナムの弦楽器が絶妙の絡みを聴かせ、“Chiéc Khãn Piêu”(多分Doãn Nhoのカヴァー)はインドの口タブラがダイナミズムを与え、“The Graceful Seal”は控えめなプログラミングが現代的な空気を運んでくる。Leのギターはオレがオレがといった感じで前面に出てくることはないが、それでも弾くべきところでは存分に弾き倒している。複数の曲で参加しているPaolo Fresuのトランペットは深い色合いを楽曲に与え、伸びやかなQuangの歌も大変良い。絶妙な匙加減と溢れんばかりのオリジナリティ。推奨物件です。


Nguyên Lê & Ngô Hồng Quang“Like Mountain Birds”


Nguyên Lê & Ngô Hồng Quang“Heaven's Gourd”

2017/07/09 Sun. 21:11  edit

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Nova Collective「The Further Side」(2017) 

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Between The Buried And Meのベース+Hakenのギター+Cynicのツアー・ドラマー+元Hakenのキーボードという構成の4人組の…というか、Trioscapesの上物をサックスからギター+鍵盤に差し替えたバンドの1stである。Trioscapes同様、コチラも全曲インスト。

1曲目“Dancing Machine”のスタジオ・ライヴがYouTubeにアップされていて、コレの冒頭40秒だけ聴いて買った。ベースもドラムもTrioscapesの時の剛健さそのままで大いに期待したのだが、CDが届いてから通して聴いてみると、上物がサックスからギター+鍵盤に変わったことで、割とオーソドックスなジャズ・ロック~フュージョン風味に仕上がっている印象を受けた。

曲の骨格というかエッセンシャルな部分だったり、エスニック風味が所々で現れたりしているところにTrioscapesとの共通項も伺えるが、変拍子の使い方やフレーズの端々に古典プログレの香りが色濃く漂っている。脂っこいフレーズ満載なのだけれども、上物が増えた分だけリズム隊が後ろに下がっており、エレガントな側面すら顔をのぞかせる瞬間もある。多彩さも感じられるし、これはこれで良いのではないか。

とはいえ、私が購入したのは輸入盤なのだが、ボートラにライヴ・テイクが収録された国内盤を買えばよかったかなあ、と動画を見ながら少し思ったり。この豪快なサウンドこそ本編にも欲しかったというのが本音ではある。


Nova Collective“Dancing Machine”

2017/06/28 Wed. 23:11  edit

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Nik Bärtsch's Mobile「Continuum」(2016) 

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スイスのピアニスト/コンポーザー、Nik Bärtsch(ニック・ベルチュ。Baertsch、Bartsch)率いるアコースティック・ユニットMobileの、多分3枚目。Roninと異なり、Mobileはベーシスト不在の4人編成となる。

オリジナル作としてはRonin名義の「Llyrìa」(2010)以来で随分久しぶりとなるが、ミニマルなフレーズの繰り返しやリズムの微妙なズレによって生まれる独特なグルーヴを生み出す、そのストイックな求道者然とした佇まいに変化はない。

今作では「Extended」と称されたヴァイオリン、ヴィオラ、チェロといった弦楽器隊をゲストに招いており、これが新しい風を吹き込んでいる。Ronin「REA」(2004)収録ヴァージョンでは同一のフレーズを執拗に繰り返す偏執的な曲だった“Modul 18”が、ストリングスとの共演によって元のアレンジとは別種の緊張感を纏い、すっかり装いを新たにしている。

一方、ピアノ・ソロがメインだったソロ名義の「Hishiryo」(2002)収録曲の再演である“Modul 4”“Modul 5”は、今回もほぼピアノと僅かなパーカッションによる演奏で、オリジナルのプリミティヴな緊張感が色濃く残されている。

「Stoa」(2006)の衝撃から早10年、純然たる新曲が少ない(全8曲中“Modul 60”のみ)のがチト気になるが、過去曲のリアレンジや合体、再構築(元々、こういう手法を多用する人ではある)、ストリングスの導入でフレッシュさを維持している。次はベースの存在がオーガニックなグルーヴを生み出すRoninの新作を期待したいところ。


Nik Bärtsch's Mobile“Modul 29_14”(Excerpt)

2016/04/17 Sun. 09:35  edit

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The Night Flight Orchestra「Skyline Whispers」(2015) 

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SoilworkのBjörn(Bjorn) Strid(Vo)とDavid Anderson(G)が中心となって結成されたThe Night Flight Orchestraの2nd。その他のメンバーはRichard Larsson(Key)、Sebastian Forslund(Per、G etc.)、Jonas Källsbäck(Kallsback)(Dr)、Arch EnemyのSharlee D'Angelo(B)。しかしどうでもいいが、自主制作でももうちょっとマシなのが作れるんじゃないか?と言いたくなるぐらいジャケのデザインが酷いな。

3年前に出た1stは存在すら知らなくて、最近になって2ndの1曲目“Sail On”を聴いてなかなか良いのではないかと思い購入。“Sail On”を聴いた時は、てっきりSpiritual Beggarsのようなレトロ・スタイルのアーシーなハード・ロックを、Stridのヴォーカル・スタイルに寄せてやや洗練された形に仕上げたアルバムなのだと思っていた。

…のだが、聴き進めていくに従い、どうもそうではないらしいことに気付く。どことなくヨーロッパのバンドが、70年代末期~80年代初頭にアメリカ進出を意識して作ったアルバムのような。ザックリ言うと、ポップなアルバムで重厚感はない。“The Heather Reports”のように70年代プログレを通過した産業ロックの香りを色濃く漂わせる曲もあり、これを聴かせた友人曰く「Totoの1stみたい」。

いずれにせよ作品を貫くのは、クラシカルなアメリカン・ハード・ロックを思わせる、ちょっぴりゆる~い感じ。CDなのに裏ジャケの曲目をわざわざ「Side A」「Side B」と分けてある事からも、この作品の意図するところは明確。「こういうのが聴きたかったんじゃないんだけどねえ」とは思うが、グロウルを封印したStridのヴォーカルは冴えてるし、まったりとアダルトなスタジアム・ロック調の“I Ain't Old, I Ain't Young”等、曲も良い雰囲気で、これはこれで楽しめる。このテの音が好きなら安心して聴けるアルバム。


The Night Flight Orchesta“Living For The Nighttime”(Live)

2015/06/27 Sat. 20:49  edit

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Noel Gallagher's High Flying Birds「Chasing Yesterday」(2015) 

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90年代後半にB!誌の熱心な読者であった私にとって「ギャラガー兄弟」というのはRavenのそれであって、Oasisではなかったのである。と言いつつRavenも全然聴いたことはないのですが。

今回紹介するのはOasisのギャラガー兄弟のお兄さんの方、Noel Gallagher率いるHigh Flying Birdsの2ndである。Oasisもマトモに聴いていないのになんで…という話だが、MTVでたまたま流れていたJohnny Marr参加曲の“Ballad Of The Mighty I”がとてもとても私好みの曲だったからである。これを聴いて速攻で購入。

本人曰く「今作は、凄くブリティッシュ」(ライナーノーツより)だそうで、もやっとした空気の向こうからぼんやりと浮かび上がってくるような雰囲気の中にほのかにサイケデリックな香りを漂わせつつ、ハード・ロック好きにもアピールしそうなハードボイルドなサウンドに仕立て上げている。

1曲目の“Riverman”を聴いていて、良い雰囲気ではあるが少し地味では?とも思ったがそこは天下のOasisでメイン・ソングライターだった人、キャッチーで親しみやすいメロディをしっかり織り込んできている。“The Dying Of The Light”“While The Song Remains The Same”といった強い叙情を感じさせる曲が良い。しかしまあ何といっても“Ballad Of The Mighty I”である。ニュー・ウェーヴというかポスト・パンクというか、もっと有体に言ってしまうとU2ぽいというか、こういうスケールの大きい曲調は大好きである。いくつかの曲で導入されたサックスも効果的。オススメである。


Noel Gallagher's High Flying Birds“Ballad Of The Mighty I”

2015/03/05 Thu. 21:14  edit

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