Dizrhythmia「Too」(2016) 

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現行King Crimsonに参加しているJakko M Jakszyk(G,Vo)とGavin Harrison(Dr,Per)プラスDanny Thompson(B)、Pandit Dinesh(Per)からなるDizrhythmiaの2nd。セルフ・タイトルの1stが1988年リリースなので、実に28年ぶりのアルバムということになる。レコーディング・メンバーとしてDave Stewart(Pf)が全曲に参加、Richard Barbieriもいくつかの曲でシンセを演奏しているほか、チェロやホーンも一部の曲で加わっている。

澄んだ空気を漂わせるジャズをベースにパーカッションやシンセで味付けを施したインストでJakszykのソフトなヴォーカルを聴かせるアルバム(インスト曲も3曲あり)。King Crimsonのような過度の緊張感や難解さは感じられず、ある種の荒っぽさが求められるKing Crimsonには合わない、David SylvianやDavid Gilmourに通ずる声質のJakszykもここではなかなか良い歌を聴かせる。

たおやかなメロディの美しさが印象的な佳作。上品でゆったりとした流れの中、時折シャープな表情を見せるインストも味わい深い。私ゃKing Crimsonよりもコチラのゲストがフル参加した編成のライヴを観たいよ。


Dizrhythmia“Chinese Doll”

2016/12/28 Wed. 23:20  edit

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Disillusion「Alea」(2016) 

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私に大いなる衝撃を与えた2nd「Gloria」(2006)のインパクトの大きさ(一般ウケの悪さとも言う)ゆえか、その後パッタリと作品のリリースが途絶えていたドイツのDisillusion。ライヴの情報は公式サイトでポツポツと更新されていたので活動していることは確認できていたが、気が付けば「Gloria」から10年、ようやく待ちに待ったスタジオ音源の登場である。

10分20秒の長尺曲1曲のみ収録という特異なフォーマットで、せめて2、3曲入りのEPというワケにはいかなかったのか…とは思うが、贅沢は言うまい。マス・ロック的なリフや複雑な場面展開を織り交ぜたダークなヘヴィ・メタルに仕上がっており、「Gloria」ほどの奇抜さはなく、1stのファンだった人にも馴染みやすいと思われる(Voはデス声ではない)が、冒頭の不穏なSEやエンディングへ向かうパートで鳴り響くニヒルなトランペットに「Gloria」を通過したバンドの強烈な個性が垣間見える。

もう新譜のリリースは難しいと思っていたので、それがたとえ収録曲がたった1曲だったとしても、復活は嬉しい。なかなか出来も良いので、この調子で早期のアルバム・リリースも期待したい。


昨年12月のライヴ映像。「Gloria」収録の“The Black Sea”

2016/10/23 Sun. 23:36  edit

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Devin Townsend Project「Transcendence」(2016) 

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精力的に作品をリリースし続けているDevin Townsendの「Z2」及びCasualities of Cool名義で発表した同名アルバム(共に2014)以来の新作。

Anneke Van Giersbergenが録音メンバーに名を連ねるようになった「Addicted」(2009)以降、「Epicloud」(2012)~「Sky Blue」(2枚組だった「Z2」の1枚目)(2014)と、シンフォニックな作風の作品を断続的にリリースしていたが、ここに至って大仰さここに極まれりと言った感じの、非常に壮大な音楽を聴かせる。元々、分厚いサウンドを聴かせる人だが、それがこの路線においてひとつの完成を見た感。舞台の上で大人数のオーケストラ/バンド/クワイアが躍動している様が、瞼を閉じると浮かんでくるようなスケールの大きい作品に仕上がっている。

メロディ等にさして目新しい点はないが、“Failure”では5拍子を導入。あまりあからさまに奇数拍子を使う人ではなかったように思うが、プログレ寄りとも言えるシンフォニック・メタルにマッチしている。Steve Vaiに見いだされて世に出てから20年以上経過し、トシも40半ばに差し掛かっているので、かつての溌剌とした刺激やStrapping Young Ladのような禍々しさは当然望むべくもないが、今一つ入り込めなかったここ数年の諸作よりも楽曲のクオリティを含め、出来栄えは良くなっていると思う。


Devin Townsend Project“Failure”

2016/10/07 Fri. 21:37  edit

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Dizzy Mizz Lizzy「Forward In Reverse」(2016) 

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デンマーク出身の3人組、実に20年ぶりとなる3rd。4月のアルバム・リリース後に来日も果たしている。

彼らが活動していた90年代半ばには結構な人気を博していたバンドで、当時ラジオでも散々聴いたハズなのだが、全く印象に残っていない。多分、好きじゃなかったと思う。ただ、近年再結成したというのは知っていて、たまたまYouTubeで観た“Made To Believe”がなかなか良いと思ったのである。いかにも90年代のロック・バンドが出しそうな音で、久しぶりにこの空気を味わってみたくなり、アルバムを購入。

アルバム全体も概ねそういった雰囲気でまとめられている。作品を形作っているのは、甘いメロディに舞い上がるでもなくヘヴィネスに溺れるでもない、その中間のどこかに位置する乾いたサウンドとアーシーなメロディ。しんみりと始まって徐々に重々しい展開に移行するバラード調の“Say It To Me Anyway”がアルバムのラストに配置されている(その後、ライヴ音源が3曲、ボートラとして収録されているが)のもなんとなく90年代のアルバムっぽい。

8年前にAsia「Phoenix」(2008)のことを「'80年代の空気をそのまま真空パックしたよう」なんてやや茶化し気味に書いたが、もしかしたら、自分が昔を懐かしんで聴いている作品が8年前の私と同じぐらい、あるいはもっと下の世代に茶化されるフェーズに入った?うひゃあ。思えば遠くへ来たもんだ。まあ若い人たちがこの作品を聴いてどう感じるのかはわからないが、要所要所をユニゾンでキメまくる上質なハード・ロックに仕上がっているこの作品、私にとっては「ま、あの時の雰囲気が味わえれば」などというレヴェルの低い期待を吹き飛ばす出来栄えでした。


Dizzy Mizz Lizzy“Made To Believe”

2016/06/13 Mon. 19:08  edit

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DAAU「Eight Definitions」(2013) 

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ベルギー産アコーディオン+クラリネット+ベースのトリオDie Anarchistische Abendunterhaltung、略してDAAUの7th。彼らの作品を聴くのは初めて。

ベルギーのチェンバー・ロックというとUnivers Zeroが頭に浮かんでくるが、冒頭の“1992”のシリアスさに多少共通するものを感じさせこそすれ、全体的にさほど似ている印象はない。続く“Werkende Mieren”はソフトなクラリネットの音色が印象的な、ほの暗さの中に小気味良さを感じさせる曲で、次の“Dansende Mieren”はエレクトロクスを導入したエクスペリメンタルなサウンド。

…と言った風に、ヴァイオリンやチェロ、ドラムといったゲストを迎え、モノトーンな色彩の中で様々なタイプの曲を聴かせる。ダイナミックなドラムを核としたジャズ・ロック色も見せるUnivers Zeroと異なり、DAAUはクラシックや現代音楽方面からのアプローチでチェンバー・ロックを構築しているという印象。

明るい音楽ではないがダークネス一辺倒というワケでもなく、時にシリアス、時にほのぼのとした雰囲気にエレクトロニクスで奥行きを与えている。スッキリしたサウンドが現代的な空気を漂わせていて良い。


DAAU“Werkende Mieren”

2014/02/15 Sat. 21:42  edit

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