Einar Stray Orchestra「Dear Bigotry」(2017) 

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ノルウェー産、Vo,Key+Cello,Vo+Violin+B+Drという編成の5人組による3rd。

国内盤のオビに「(デビュー前に)Godspeed You ! Black Emperorにインスパイアされて書いた楽曲が~」とあるが、GY!BEの影響は“20,000 Nights”のエンディングで聴こえるノイズ調の音等、ちょっとしたアクセントとして現れる程度。作品の核をなしているのは、ストリングスをメインに据えた大らかなサウンドと目まぐるしく現れる変拍子、そして男女ヴォーカルが歌うキャッチーなメロディである。

しょっぱなの“Last Lie”を聴いていて、やや音の輪郭がボヤけた、ドリーミィでサイケデリックな系統のヤツかなと思ったが、ドラムがシャープで粒の立った音で、男性Voが低音でぼそぼそと歌っている曲ではむしろThe Nationalっぽさを感じさせる場面もあったり。影響を受けているのか、着想の元になっているルーツに共通項があるのか。このテの音を出す人達にしては珍しく(?)骨っぽいサウンドに仕上がっていると思う。

アルバムのリリースに先立ち公開された“Penny For Your Thoughts”が結構衝撃を受けるレヴェルで良かったので思わずアルバムを購入してしまったが、タイトル・トラックを始め、結構なクオリティの楽曲が揃っている。瑞々しさ溢れる佳作。オススメ。


Einar Stray Orchestra“Penny For Your Thoughts”

2017/07/29 Sat. 21:43  edit

Category: CD/DVDレビュー:E

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Nguyên Lê & Ngô Hồng Quang「Hà Nội Duo」(2017) 

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ヴェトナム系フランス人ギタリスト、Nguyên Lê(Nguyen Le:グエン・レ)が、ヴェトナム人歌手/弦楽器奏者のNgô Hồng Quang(Ngo Hong Quang)との双頭体制で制作したアルバム。

Qaungが使う各種民族楽器のみならず、曲によってインドのタブラ及びカンジーラ、日本の琴といったアジアの楽器がフィーチュアされており、例えばみやざきみえこの琴をフィーチュアした“A Night With You, Gone”では闇夜にライトアップされた紅葉が浮かんでくる(“A Night With You, Gone”はオリジナル曲ではなくヴェトナムの民謡のようですが)ように、多国籍といえばいいのか無国籍といえばいいのかよくわからんが、いずれにせよアジアン・テイストをこれでもかと匂わせる作風。

なんかもうね、曲も演奏もいいんですわ。“Heaven's Gourd”“Beggar's Love Song”でギターとヴェトナムの弦楽器が絶妙の絡みを聴かせ、“Chiéc Khãn Piêu”(多分Doãn Nhoのカヴァー)はインドの口タブラがダイナミズムを与え、“The Graceful Seal”は控えめなプログラミングが現代的な空気を運んでくる。Leのギターはオレがオレがといった感じで前面に出てくることはないが、それでも弾くべきところでは存分に弾き倒している。複数の曲で参加しているPaolo Fresuのトランペットは深い色合いを楽曲に与え、伸びやかなQuangの歌も大変良い。絶妙な匙加減と溢れんばかりのオリジナリティ。推奨物件です。


Nguyên Lê & Ngô Hồng Quang“Like Mountain Birds”


Nguyên Lê & Ngô Hồng Quang“Heaven's Gourd”

2017/07/09 Sun. 21:11  edit

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Nova Collective「The Further Side」(2017) 

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Between The Buried And Meのベース+Hakenのギター+Cynicのツアー・ドラマー+元Hakenのキーボードという構成の4人組の…というか、Trioscapesの上物をサックスからギター+鍵盤に差し替えたバンドの1stである。Trioscapes同様、コチラも全曲インスト。

1曲目“Dancing Machine”のスタジオ・ライヴがYouTubeにアップされていて、コレの冒頭40秒だけ聴いて買った。ベースもドラムもTrioscapesの時の剛健さそのままで大いに期待したのだが、CDが届いてから通して聴いてみると、上物がサックスからギター+鍵盤に変わったことで、割とオーソドックスなジャズ・ロック~フュージョン風味に仕上がっている印象を受けた。

曲の骨格というかエッセンシャルな部分だったり、エスニック風味が所々で現れたりしているところにTrioscapesとの共通項も伺えるが、変拍子の使い方やフレーズの端々に古典プログレの香りが色濃く漂っている。脂っこいフレーズ満載なのだけれども、上物が増えた分だけリズム隊が後ろに下がっており、エレガントな側面すら顔をのぞかせる瞬間もある。多彩さも感じられるし、これはこれで良いのではないか。

とはいえ、私が購入したのは輸入盤なのだが、ボートラにライヴ・テイクが収録された国内盤を買えばよかったかなあ、と動画を見ながら少し思ったり。この豪快なサウンドこそ本編にも欲しかったというのが本音ではある。


Nova Collective“Dancing Machine”

2017/06/28 Wed. 23:11  edit

Category: CD/DVDレビュー:N

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Anathema「The Optimist」(2017) 

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一昨年、待望の初来日を果たしたAnathemaの3年ぶりとなる新作。

レコード屋で予約してあったCDを受け取り、そのままカーステレオに放り込んで聴いているうちに浮かんできた感想が「なんか『A Fine Day To Exit』(2001)みたいやな」というものだったのだが、後から国内盤の帯に目を通してみるとその「A Fine Day~」が言及されていて、更にライナーを読んでみると今作はズバリ「A Fine Day~」の続編だという記述が。あれま。

とはいえ、曲調が似ているとか、そういう話ではない。SE調の“32.63N 117.14W”から続いて流れる“Leaving It Behind”の硬質なサウンドが「We're Here Because We're Here」(2010)以降のドラマティック路線からの明確な路線変更を告げているが、「Aメロ→Bメロ→サビ」といった明快な構成を持たず、メインのメロディやフレーズを、少しずつアレンジに変化を加えながらひたすら繰り返すタイプの曲が大半を占めており、何かこう、聴いていてモヤッとしたものが終始つきまとう。そのモヤッとしたものが「A Fine Day~」を貫く虚無感に通じているような気がする。

“Endless Ways”や“Ghosts”のような美しいメロディを持つ曲もあるが、メロディそのものを聴き手の心に刻み込むような構成には全くなっておらず、「We're Here~」以降の、ドラマティックな楽曲がもたらすカタルシスを期待すれば盛大に肩透かしを食らうことになる。先行して公開された“Springfield”から、いやもっと言えば前作「Distant Satellites」(2014)の時点で路線変更自体は十分予想できたことではあったが、それでもこの新作は掴みどころがなくて、でももう一回聴けば何か掴めるのではないかと思って、結果、最近滅多にないぐらいのヘビロテ作になっている。なんだろうなこのしてやられた感。

しかし何回も聴いてやっと見えてきたこともあって、それが前出の“Endless Ways”“Ghosts”やトロンボーンとコントラバスをフィーチュアしてかつてなくムーディな味わいに仕上がっているジャズ調の“Close Your Eyes”で素敵な歌を披露しているLee Douglasの存在感。技巧でねじ伏せるタイプの歌い手ではないが、ソフトな中に力強さが秘められた声が個性的でとてもいい。初来日の際も大人気だった彼女、「A Fine Day~」の頃は正式メンバーですらなかったのだが、今ではすっかり主役級。


Anathema“Springfield”

2017/06/13 Tue. 19:03  edit

Category: CD/DVDレビュー:A

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Lonely Robot「The Big Dream」(2017) 

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It BitesやKino、Frost*等での活動で知られるJohn Mitchell(Vo,G,B,Key)のソロ・プロジェクト、Lonely Robotの2nd。ドラムスをCraig Blundellがプレイしている他、女性Voのパート(Bonita Mckinney)を除くすべての演奏がMitchell自身の演奏によるものとなっている。なお、国内盤はボートラ3曲を追加収録。

1st「Please Come Home」(2015)以来から2年のインターバルが開いているが、シンフォニックなプログレ・ハードという音楽性は堅持されている。奇数拍子が多用されているが、ヘヴィすぎないサウンドとキャッチーで滑らかなメロディのおかげか、さほどクドい感じもしない。ややハスキーなMitchellのヴォーカルを主役に据えつつ、多彩なギター・ソロもふんだんにフィーチュアした力作に仕上がっている。

作風は買う前に予想していたそれから一切逸脱しておらず、まあそれはそれでどうなのよという気もしないではないが、良いメロディが聴ければそれで良し、という気持ちで買ったので。パワフルな“Sigma”、透明感のある“The Divine Art Of Being”等、サビのメロディが印象的な曲が続く中、本編ラストを締めくくる3分弱のインスト曲の繊細な美しさが印象に残った。


Lonely Robot“Sigma”

2017/05/28 Sun. 22:38  edit

Category: CD/DVDレビュー:L

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