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2012年04月14日 23:15

Fates WarningのJim Matheos(G,B,Key,Programming)と元Dream TheterのKevin Moore(Vo,Key,G,Programming)による双頭プロジェクト、OSIの4th。2人で録音した"For Nothing"を除き、ドラムスにGavin Harrisonを迎えた3人で録音されている。
Mike Portnoyが正式メンバー扱いで、Sean MaloneやSteven Wilsonも参加していた1stは別として、2nd以降のOSIはメタルのようなメタルでないような、茫洋とした感じのモダン・プログレをぶっきらぼうに演奏しているイメージのアルバムが続いているが、新作もおおよそそういった作風を引き継いでいる。そんな中にも今作には(彼らにしては、だが)人懐っこさのようなものが感じられ、ややPorcupine Treeに通ずる空気のインスト"Enemy Prayer"や、バラード色の強い"Wind Won't Howl"等、今までとはやや異なる色彩の曲もあり、ひたすら淡々としていた前作「Blood」よりはかなり印象が良い。
また、Gavin Harrisonのドラムが彼のキャラに即したシャープな音に仕上げられているのもプラス。Kevin MooreのVoは声域こそ狭いものの、割れ気味の独特の声でキャッチーなメロディを無理せず歌っている。病院の一室で点滴を受けつつ白い天井を見つめながら聴くとどハマリするクールな風情の音だが、モノトーンな中に各メンバーの持ち味が上手く活かされたアルバムに仕上がっていると思う。
2012年04月08日 19:59

ドイツの人力ミニマル・テクノ・ユニット3人組の新作。
1st「You Make Me real」(2010)ではメンバー3人が何役もの楽器をこなしているPVが製作されたが、今回は最大11人(Vo込み)によるアンサンブルでの演奏が収録されている(そのためか、ユニット名の前後に「The」「Ensemble」が追加されている)。前出PVでの仮想大人数アンサンブルは「将来的に実現させたいこと」を視覚化させたものだそうで、彼らは2ndにして早くもその夢を実現させたことになる。
全8曲中1stのリメイクが4曲(更にカヴァーが2曲)という構成からも「とにかく早くアンサンブル編成の作品を作りたかった」感が漂う(何せ1stから1年経たずのリリースなのだ)がまあそれはともかく、立体感と強度を増したサウンドが生々しく迫ってくる様は前作同様ストイックなイメージが強く、ダンス・ミュージックの皮を被ったチェンバー・ロックといった趣きが更に増している…というより、ここまで来ると私の耳にはダンス/テクノ色はあまり感じられないかな。
シリアスでソリッドながらキャッチーさも併せ持つ楽曲群は魅力的なのでこの作品単体でも楽しめるが、既に述べたように半分がリメイクなので、やはり前作と聴き比べてサウンドの変遷を味わいたい。
2012年03月16日 21:52

Porcupine TreeのGavin Harrison(Dr,B,G)とこのユニット以外で名前を見かけることが全くない謎のドラマー/ベーシスト、05Ric(Vo,Touch Guitar)のデュオ3作目。CD+DVD-Aの2枚組でK Scopeからのリリース。AnathemaやSteve Hogarth & Richard Barbieriなど、最近ここからリリースされた作品を購入する機会が増えているが、どれもこれもブックレットがやけに豪勢である。安いのにね。糊付けが数年でバラバラになりそうな危うさを孕んではいるんだが。
前作「Circles」(2009)で異彩を放ちまくっていた05Ricのレロレロしまくるソロ・パートの出番は大幅に減り、05Ricの歌を聴かせる方向へと舵を切っているように思える。名前も含めて謎めいた人物であるがこの05Ric氏、楽器のみならず、David Sylvianに通ずるジェントルな声質や、クールでありながら時折メランコリックな表情を見せるメロディのセンスもなかなかに捨てがたい。
しかしドラムとベースのデュオという特異な編成もあり、シャープなリズム隊がクールな表情を保ちつつグログロウネウネと遠慮なしに蠢き回るバックの演奏は全くもって普通ではなかったり。前衛と大衆性の境界を、前衛の方に視線を向けつつ綱渡りするような、(メロディもいいけど)リズム隊が物凄く目立っている音楽が好きならより楽しめるであろう1枚。
2012年03月06日 20:59

ジャズの素養を持つ変態ハードコア〜ブラック・メタル〜プログレ・メタル5人組の「Blackjazz」(2010)リリースに伴うツアーを収録したCD+DVDの2枚組セット。DVDがCDよりも収録曲が2曲多く、一部曲順も異なる。
バンドの地元ノルウェーで収録されており、現地語(英語字幕あり)によるMCの間はリラックスしたムードも漂うが、演奏はスタジオ盤同様、物凄いテンションで畳み掛けてくる容赦のないもの。楽曲はまったくもってヤケクソそのものだが、演奏は一切の破綻を見せず、恐ろしいほどの一体感で迫ってくる。昔、Dennis ChambersをNiacinで見たときに感じた「ジャズ畑の人が本気出して(かどうか知らんが)ロックをやるとエラいことになるな…」という印象を久しぶりに抱いた。
リマスター&ミックスに「Blackjazz」と同じスタッフを迎えて製作されており、切れ味鋭いサウンドにライヴの生々しさが加味。"21st Century Schizoid Man"カヴァーを含む「Blackjazz」収録曲から旧譜収録曲まで、この「完璧に統率されたカオス」はちょっと普通ではない。「Blackjazz」が気に入った方は必聴。「Blackjazz」を聴いていない方はそちらも併せて聴いていただきたい。吐いても知らんけど。数年前に来日経験があるらしいが、もう一度来てくれんもんだろうか。
Shining"Exit Sun"
2012年02月28日 21:36

MarillionのSteve Hogarth(Voice/Words)とPorcupine TreeのRichard Barbieri(Music)の連名でリリースされたアルバム。Dave Gregory(G,B)らがゲストで参加している。
Barbieri(Gregoryも)はHogarthのソロ「Ice Cream Genius」(1997)にも参加していたので、今作の作風がその延長線上に来るであろうことは容易に想像がついた。問題は「Ice Cream〜」のどの曲に近い方向へ向かうか。個人的には"Nothing To Declare"のような「空から降り注ぐようなシンセと荘厳なヴォーカル」を期待していたのだがこの期待は空振り。ビートの効いた曲調も排除され、内省的なサウンドは深海の淵に沈みこむかのごとき深化を見せている。
Barbieriの2ndソロ「Stranger Inside」(2008)に通ずる、澄んだ音も猥雑な音も透明なコーティングで包み込んだようなモノクロームの世界を、Hogarthの声が波間に揺らめくように漂う。全8曲中、唯一"Only Love Will Make You Free"こそ僅かに熱気を感じさせるものの、極めて繊細なタッチのオープナー"Red Kite"から、どことなく雑然とした"Crack"まで、一貫してひんやりとした触感。
HogarthとBarbieriの嗜好を目一杯突き詰めたような作風で、率直に言ってわかりやすいとは言い難い。丁寧にトリートされたサウンドの流れに身を任せるようにして聴くのがよろしいかと。とは言え2人ともさすがはヴェテラン、ゆったりした流れに埋もれがちだが曲そのものは多彩で、出来も良い。ハマればハマるディープな1枚。




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